今回のテーマは今を時めくハイテク銘柄を中心に投資できるETF「QQQ」です。
こちらは直近10年のQQQとS&P500指数のチャートです。
QQQはこの10年で6.8倍と凄まじい伸びを見せており、10年で3倍以上になっているS&P500指数がショボく見えてしまいますね(;^_^A
コロナショックもなかったかのような成長を見て、最近QQQやハイテク銘柄に投資している方も多いのではないでしょうか。
しかし、そのQQQも20年前に-80%という途方もない大暴落があったことを知っていますか?
そして、その暴落から株価が戻ったのは2016年とつい最近なのを知っていますか?
直近10年のチャートではとてもそうは見えないけど?
ということで、今回はQQQの低迷期にフォーカスしてシミュレーションを行ってみました。
今の勢いに目がくらんでとりあえずで投資している方は是非ご覧ください。
この記事を読んでわかること
- 今を時めくQQQにも20年前に80%暴落する暗黒時代があった
- 暗黒時代が完全終了したのはたった4年前
- 暗黒時代は10年積み立てても損益率-40%
この記事を読んでほしい人
- 今の勢いに魅せられてQQQやハイテク株に投資している方
- 今やインフラともいえるハイテク銘柄が衰退するはずがないと思っている方
QQQの為替リスク
まずは為替リスクの検証です。
ネット検索で出てくるQQQのチャートは基本的にドル建てですが、僕たちが日本で生活する限り必ずどこかでドルから円に変換する必要があります。
日本人が外国資産に投資すると為替リスクは必ずついて回る問題です。
↓為替リスクについて詳細はこちら↓
今回も最後に円建てQQQで積立シミュレーションを行うので、最初に確認しておきましょう。
こちらはQQQが設定された1999年3月から2020年8月までのドル建て・円建てチャートです。
価格の伸びが凄すぎて為替の影響がわかりにくいですが、特徴的なのは2008年に発生した100年に一度の暴落と呼ばれるリーマンショックです。
底値と同時に激しい円高により、ドル建てと比べ元の株価に戻るまで3年近く遅れています。
QQQでも為替リスクの影響の大きさが現れていますね。
世界大恐慌級!?暗黒のQQQ
先ほどのドル建て・円建てチャートを見て、薄々気づいた方もいると思いますが、QQQは2000年頃に発生したITバブル崩壊により凄まじく暴落しています。
こちらはITバブルの絶頂から暴落、株価が戻るまでのQQQチャートです。
QQQはITバブル崩壊により、なんと80%も下落し、その後価格が戻るまで16年を要しています。
株価が戻ったのは2016年。たった4年前です。
飛ぶ鳥を落とす勢いのQQQですが、世界大恐慌級の暴落と低迷を経験しているんです。
こちらは世界大恐慌時のS&P500チャートです。
世界大恐慌時も3年で80%下落し、その後価格が戻るまで25年を要しました。
途中、リーマンショックのように2回目の大暴落があったところも似ていますね。
↓世界大恐慌について詳細はこちら↓
ハイテク中心のETF【QQQ】も世界大恐慌に負けず劣らずの暴落&低迷がたった20年前に起きていた
これが今回のタイトルでもある「暗黒のQQQ」の正体です。
暗黒のQQQ|積立シミュレーション
お待たせしました!
恒例の積立シミュレーションです♪
今回はQQQが設定された1999年3月から2009年3月までの10年間、毎月1万円を積み立てた場合どうなるかをシミュレーションしてみました。
ナスダック100に連動する架空の投資信託に毎月1万円を積み立てる。
- Yahoo!FinanceでダウンロードしたQQQチャートを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 分配金・手数料・インフレなどは考慮しません
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
それではシミュレーション結果です。
はい、10年投資してもまさかの元本割れです。
投資序盤はバブルの勢いで鬼のように伸びますが、投資額が小さいため絶対的な資産額が増えませんでした。
その後バブル崩壊による大暴落で-80%の下落、回復したと思ったらリーマンショックがトドメを刺すところで10年が経過します。
積み立てた10年を損益率で表してみました。
シミュレーション期間2,531日中、1,573日間(62%)含み損を抱えるという、今のQQQからは想像もできないパフォーマンスです。
今後、こんな状況が再びやって来るかもと思うとゾっとしますね(;^_^A
いま米国ハイテク株はバブルなのか?
という疑問を持つ方は多いと思います。
コロナショックをものともせずグングン上がっていくQQQ。
私はファンダメンタルズ分析はできないので、今の米国ハイテク株がバブルか否かの判断ができません。
ただ、2000年のITバブルと比べると企業実績が伴っているのでバブルではないという認識の方が多いようです。
なら安心だね!
と思うのはちょっと危険かもしれません。
あくまでも「今はバブルではない」ということ。
「今やインフラとも呼べるハイテクが廃れるわけがない!」
20年前のITバブルもWindows95の登場により、一般家庭にもPCが普及し始め「これからはコンピュータの時代だ!」と今以上に熱狂していました。
これからイナゴのようにハイテク株へお金が群がっていくと、数年後に再びITバブルのようなり崩壊・暴落となるかもしれません。
そこから10年以上低迷することがあるかもしれません。
例えば、今QQQに100万円投資して3年後に200万円まで増えたとします。
そこから先ほどのシミュレーションと同じように80%も暴落すると資産額は40万円まで減少し大きな含み損を抱えることになります。
「歴史は繰り返さないが韻を踏む」なんてよく言われますが、そこから10年低迷してもあなたはハイテク株を信じて投資を続けられますか?
今だけ見ずに
この時点で同じことが言えるか?
同じ考えで投資できるか?を反芻するといいと思います笑 pic.twitter.com/Dp0vije8QI
— かず@Dr.& trader・Investor⚽ (@kazuya04012007) June 5, 2021
こんな状況でも未来を信じて大事なお金を突っ込めますか?
↓20年前の様子と今を比較した記事はこちら↓
まとめ|都合の良い10年と悪い10年
今乗りに乗っているハイテク銘柄中心のETF「QQQ」は
- 大暴落で8割減ったことがある
- 株価が戻るまで16年もかかった
- 設定来から10年投資しても-40%の含み損
という暗黒時代がたった20年前に存在した。
おそらく、今勢いでQQQや米国ハイテク株へ投資している方は、都合の良い直近10年以内のチャートしか見たことない方がほとんどじゃないでしょうか。
今はまだバブルではないかもしれません。
しかし、みんなが「儲かる」と信じ込み盲目に資金を突っ込み始めたら、企業実績以上の価値に跳ね上がりバブルへと進化する可能性は十分あります。
「ハイテク株が落ちるわけがない」という中で大暴落を起こし、その後10年以上低迷した「都合の悪い10年」という歴史があったことは心の片隅に置いておきましょう。
歴史は繰り返さないが韻を踏む
↓米国株の暗黒時代に関する記事↓
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