みなさん、ITバブル崩壊という恐ろしい暴落があったことを知っていますか?
ITバブルとは
1990年代にwindows95の大流行等をきっかけに、IT(Information Technologyの略:インターネットなどの通信とコンピュータとを駆使する情報技術)が爆発的に普及し、それに伴ってアメリカを中心としたIT企業の急伸や異常な株高となった現象です。
ITバブル崩壊は2000年頃に発生したバブル崩壊のことを指します。
米国株相場は約50%も暴落し、当時は世界大恐慌以来最悪の下げ相場となり、株式市場は9兆ドルを超える価値を失いました。
さらに、このITバブル崩壊はただの大暴落ではなく、長く続く暗黒時代の入り口だったのです。
暴落といえばリーマン・ショックが真っ先にあがりますが、今回はリーマン・ショックの前に発生したITバブルについて情報共有したいと思います。
この記事を読んでわかること
- ITバブル崩壊のチャートと特徴
- 結果的に13年も経済の低迷が続いた暗黒時代となった
この記事を読んでほしい人
- 大暴落が発生しても2・3年で価格が戻り、その後は上昇相場だと信じている方
このITバブル崩壊を知ることで、今後10年以上のスパンでつらい状況が続く可能性があるということを知ることができます。
世界経済は長期で見ると右肩上がりですが、たった20年前にこういったネガティブな時期があり、今後も起きるかもしれないと知っておくことで、様々なリスク回避の検討ができると思います。
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ITバブル崩壊は価格が戻るまで7年、その後は・・・
下の図は米国株式(S&P500)の過去20年間のチャートです。
2000年の終わり頃から暴落が始まり、元の価格が戻るまで約7年もかかっています。そして、価格が戻った後も1年もせずリーマン・ショックが発生。トータルで約13年と非常に長い期間、辛い時期が続いています。
これ、実際に体験したら相当ツラいと思います・・・
ITバブル崩壊は底値まで約2年もかかっている
ITバブル崩壊の恐ろしさは、長い低迷だけではありません。
暴落付近のチャートを切り取ってみると
暴落が始まって底値まで、なんと2年もかかっています。これはリーマン・ショックの約4倍もの長さになります。
価格が暴落したからといって、無計画に追加投資をしていると無限ナンピンに陥り、本当に追加投資が必要なタイミングで十分な資金が残らない可能性があります。
暴落後すぐの追加投資にもリスクがあるので注意が必要です。
2年間も下落し続けるなんて、なんと恐ろしい・・・。
こういう事があることを知っておかないと、耐えきれずにどこかで狼狽売りをしてしまい大損するかもしれませんね。
為替の影響で日本円換算にするともっと悲惨な結果に
こちらはITバブルから崩壊からの約20年のドル・円換算S&P500をグラフにしたものです。
為替が資産に与える影響は大きく、過去20年では日本円は米国株資産に対してかなりマイナスな働きをしています。
ITバブル崩壊やリーマンショック級などの歴史的大暴落が発生する度に円高となるため資産がダブルパンチで減少し、本国のアメリカ人以上に辛い思いをすることになるんです。
暴落時は為替の影響でさらに資産が減る可能性があることは頭に入れておきましょう。
↓暴落時の為替の影響について詳しくはこちら↓
米国株で10年単位で資産が増えないこともある
こちらはITバブル前の1998年から2019年まで毎月1万円積み立てた場合のリターンを表したものです。
ITバブル崩壊・リーマンショックと2つの大暴落に襲われるため、世界最強のS&P500でもこのタイミングで投資を始めると中々資産が増えません。
S&P500に投資していても
- 投資を始めて10年後に元本割れする
- その後4年も含み損を抱え続ける
- 資産が本格的に増え始めるまで15年かかる
ということもあるんです。
まとめ|過去10年の切り取りでは本質は見えない
- ITバブル崩壊は価格が戻るまで7年もかかった
- その後、1年もせずリーマンショックに襲われた
- 結果的に約13年も低迷する時期が続いた
- これはたった20年前の出来事で、今後も起きる可能性がある
直近10年は都合の良い10年
【投資信託を選ぶ時は過去20年分のチャートを確認しよう】
5年・10年程度の過去チャートだと都合のいい部分のみが切り取られ、本来知らなくてはならない本質が見えないことがあります。
みんなが大好きな米国株はその典型で、直近10年は絶好調ですが、それまでは10年以上低迷していたんですよ。 pic.twitter.com/NopMA1Fhft
— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) September 1, 2019
様々なブログで株価のチャートが取り上げられていますが、そのほとんどが現在から過去10年を切り取ったものなんです。
この過去10年っていうのが非常に都合が良く(ポジティブ)て使いやすいんですよね。
10年前はちょうどリーマン・ショックによる大暴落が起こり、その後数年で価格が戻り、そこからうなぎ上りに株価は上がっていくというポジティブなサクセスストーリーを作りやすいんです。
それはお前のブログだろ!って突っ込みはナシですw
ぼくが言いたいのは、株価は暴落してもその後10年単位で価格が戻らない時期もある、その可能性があるということです。
ITバブルあたりからチャートを切り取ると、右肩下がりの暗黒の10年が完成します。
このように数年で戻ってその後はうなぎ上りだと思い込んで投資をすると、痛い目に会って精神も資産も持っていかれるという最悪の状況になりかねません。
もしかしたら、ここから10年以上はツラい思いをするかもしれないということを想定しておくことが重要です。
しかし、世界経済は長い期間でみれば経済は確実に右肩上がりです。
これから暗黒時代が到来したとしても、株式の未来を信じて淡々とひたすら積み立てていくことが将来の勝利への道といえるでしょう。
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