2月下旬から現在にかけてコロナウイルスの影響で株価が大きく下落していますね(;^_^A
Twitterでも
などなど、様々な意見が飛び交っています。
そもそも境界線ってどこ?
と気になる方も多いと思うので、今回は暴落の境界線について考え、今回のコロナショックは暴落なのかどうかを検証してみたいと思います。
この記事を読んで分かること
- 一般的な暴落の基準の例
- コロナショックは暴落なのかどうか
先に結論をいいますと、2020年3月13日現在、コロナショックは暴落の域に突入していると考えます。
ただ、大暴落と言うほどではなく、報道で比較されるリーマンショックや世界大恐慌のレベルには全然達していません。
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暴落の境界線を考える
まずは暴落の境界線について考えてみましょう。
まず、googleなどで検索された方は分かると思いますが、暴落には明確な定義や基準はありません。
暴落(ぼうらく)とは、物価、株価をはじめとする相場などが急激に大幅に下がること。特に下落幅が大きい場合は「大暴落」ともいわれることがある。対義語は「暴騰」
このようにWikipediaにも「急激に大幅に」とはありますが、「〇%以上だと」のような記載はありませんでした。
リスク(標準偏差)で境界線を引いてみる
明確な定義や基準がないので、今回はリスク(標準偏差)を使って暴落の境界線を引いてみたいと思います。
まずはリスクについて簡単におさらいしましょう。
【リスク(標準偏差)とは】
投資における「リスク」とは、一般的な「危険」という意味とは違い、「期待する利益の振れ幅」のことを言います。
利益の振れ幅が大きいと「リスクが高い」、小さいと「リスクが低い」ということになります。
これらは「リスク〇%」と数値で表すことができ、統計学の世界では「標準偏差」と呼びます。
ちなみに、投資におけるリスクは「利益の振れ幅」なので、「リスクが高い」には「大きく損をする可能性」だけでなく「大きく得をする可能性」という意味も含まれます。
↓リスクについて詳細はこちら↓
例えば、
リターン5%・リスク10%
という金融商品が合った場合
- 1年間で得られる期待リターンは5%
- その5%を中心に±10%で変動するリスクがある
と表すことができます。
ただし、これは日常的な値動きを表したものになります。
暴落時は一般的に、日常的なリスクを2倍にして計算します。
- 1年間で得られる期待リターンは5%
- その5%を中心に±20%で変動するリスクがある
ということになります。
↓銘柄のリスクの算出方法はこちら↓
ちなみに、大暴落と呼ばれるリーマンショックは暴落2倍計算を突き抜け、3倍計算まで突入する凄まじい暴落でした。
以上のことから
- リスク1倍未満 = 日常の値動き
- リスク1倍以上2倍未満 = 暴落
- リスク2倍以上 = 大暴落
と線引きしたいと思います。
境界線を今のチャートに当てはめると
こちらはコロナショック時の主な株式のチャートを比較したグラフです。
新興国株が若干下落率が低いですが、どれも似たり寄ったり。
ざっくり見ると25%前後の下落となっています。
これを見ると株式はどんなに世界分散しても、暴落対策にならないことがよく分かりますね。
↓詳しくはこちら↓
リスク(標準偏差)を調べる方法はいくつかありますが、今回はmyINDEX(登録が必要ですが無料で使えます)を利用して過去20年の実績を算出してみました。
↓リスクの詳しい調べ方はこちら↓
myINDEXで算出すると
それぞれの日常的な値動きは
- 米国・先進国株式 18.6%
- 日本株式 17.3%
- 新興国株 23.3%
- 全世界株 18.2%
暴落時の線引きは
- 米国・先進国株式 18.6%~37.2%
- 日本株式 17.3%~34.6%
- 新興国株 23.3%~46.6%
- 全世界株 18.2%~36.4%
大暴落の線引きは
- 米国・先進国株式 37.2%以上
- 日本株式 34.6%以上
- 新興国株 46.6%以上
- 全世界株 36.4%以上
これを先ほどのチャートと照らし合わせると
今回は5つの指標の内、4つが暴落判定の範囲内となりましたので、世の中は暴落に突入していると言ってもイイでしょう。
どうりで辛いわけだ。
暴落はまだ始まったばかり
こちらは米国株のリーマンショック時のチャートです。
一直線にズドンと落ちるイメージのある暴落ですが、実際は乱高下を繰り返しながら時間をかけて暴落していきます。
主な暴落の底値までの期間
- リーマンショック 約半年
- ITバブル崩壊 約2年
- 世界大恐慌 約3年
2020年3月13日現在は、下落が始まってまだ1ヵ月も経過していません。
今が入口なのか底なのかは分かりませんが、報道で言われているような大暴落となることがあるならば、これから数ヵ月~数年かけて下がり続ける可能性があることは覚悟しておきましょう。
↓過去の暴落について詳しくはこちら↓
追加投資は慎重に
こちらはITバブル崩壊時の米国株チャートです。
先ほども言いましたが、暴落時は一直線ではなく下落・反発の乱高下を繰り返しながら落ちていきます。
ITバブル崩壊時は10%下落するタイミングは底値まで5回、逆に1ヵ月単位の時間をかけて10%以上反発することもありました。
これから本格的な暴落に突入するのであれば、今回のような下落が半年~2年の間に何度も発生します。
暴落時の追加投資はとても有効な手段ですが、長期間乱高下するということを頭に入れ、余力を残しながら行いましょう。
↓追加投資のタイミングについてはこちら↓
報道では世界大恐慌などと比べられているが・・
こちらは1929年に発生した世界大恐慌時の米国株(S&P500)チャートです。
ブラックサーズデーからの下落角度は凄まじいですね。
一見、一瞬で暴落したように見えますが、底値まで約3年もかかっています。
現在のコロナショックの下落率は25%前後ですが、世界大恐慌は80%以上下落しました。
1日の下落率はコロナショックも歴史に残る数値らしいですが、暴落として比較してみると、世界大恐慌とは全然レベルが違うことが分かると思います。
未来は誰にも分からないので、可能性があるかと聞かれるとゼロではないと思います。
ただし、
世界大恐慌付近の時代は世界中で戦争をしていた
という特殊な時代でした。
もし、現代に世界大恐慌がもう一度起きるとしたら、90年前と同様に世界中が戦争に巻き込まれるような世界情勢だと思っています。
出展:プリ画像 byGMO
それこそ、北斗の拳に出てくるような世界で、資産運用どころではなく自分や家族の命を守るだけで精一杯かもしれません。
↓世界大恐慌について詳細はこちら↓
まとめ|コロナショックは暴落である
- 暴落の境界線に明確な基準はない
- リスクで線引きをするとコロナショックは暴落である
- 暴落はまだ始まったばかり
- 世界大恐慌と比べると暴落規模は全然小さい
今回の検証で、コロナショックは暴落であると結論付けました。
しかし、まだ入り口の可能性があり、今後想像を超えて下落したり長引いたりすることも考えられます。
長期で見ると株式は200年以上右肩上がりです。
僕らの時代で200年続いた右肩上がりが終了する可能性は限りなくゼロに近いと思っています。
これから数年間は非常に辛い期間となるかもしれませんが、株式投資の未来を信じ、粘り強く生き残っていきましょう!
↓株式投資の可能性について詳しくはこちら↓
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