これから投資を始める際に、期待リターンがとても高い米国株に集中するのか、世界中に分散投資できる全世界株に投資するか悩んでるは多いハズです。
ということで、今回は2019年9月に楽天投信投資顧問から発表された最新の実質コストを使用して楽天・全米株式インデックス・ファンド(以下楽天VTI)と楽天・全世界株式インデックス・ファンド(以下楽天VT)の利回りシミュレーションを行い両者を比較してみました。
ご存知の通り、過去実績では楽天VTI(全米株式)の圧勝なのですが、それでも楽天VT(全世界株式)に投資する理由について検証したいと思います。
この記事を読んで分かること
- 楽天VTI(全米株式)と楽天VT(全世界株式)の違い
- 楽天VTI(全米株式)と楽天VT(全世界株式)の過去実績は楽天VTI(全米株式)の圧勝
- それでも楽天VT(全世界株式)を選択する理由
この記事を読んでほしい人
- リターンのことを考えると米国株をメインにしたいけど、リスクを考えると世界分散した方がいいのか迷っている人
先に結論だけ言いますと、過去の実績は圧倒的に楽天VTI(全米株式)なので楽天VT(全世界株式)に投資するかどうかの判断基準は、将来米国が衰退しているか否かという一点です。
なんてあなたも思っているでしょうが、たった30年前は米国株は世界トップじゃなかったんです。
30年あれば世界情勢って大きく変わるんですよ。
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楽天VTIと楽天VTの違い
楽天VTI(全米株式)は小型株を含む米国株全域が対象で約3,500銘柄、楽天VT(全世界株式)は世界全域が対象で約8,000銘柄です。
2019年9月に楽天投信投資顧問から発表された最新の実質コストを反映させています。
2018年は楽天VTI(全米株式)の実質コストが0.311%、楽天VT(全世界株式)も0.502%と高めの数値だったため、低コストが売りのeMAXIS Slimシリーズに話題が集まっていましたが、この度の発表で実質コストは大きく下がりました。
現在の手数料はeMAXIS Slimシリーズとそん色ないレベルとなっています。
過去の実績は楽天VTI(全米株式)の圧勝
冒頭でも言いましたが、過去実績では楽天VTI(全米株式)の圧勝です。
なので楽天VTIと楽天VT(全世界株式)、両者のリターンにどれくらい差があるのかシミュレーションしてみました。
- 毎月1万円を積み立てる
- どちらも発売されて2年しか経過していないのでETF版のVTIとVTチャートを使用
- チャートはTradingViewを使用しシミュレーション
- それぞれ2019年の実質コストで費用を計算
- シミュレーション期間は2008年6月~2019年8月までの過去11年3ヵ月
- 配当・税金・為替などは考慮していません
なぜ11年3ヵ月のように中途半端な期間なのかというと、リーマンショック開始前からのリターンを検証したかったからです。
※簡易計算なのでイメージとしてお楽しみください。
シミュレーションした結果がこちら
楽天VTI(全米株式)の平均利回りはリーマンショック前から毎月1万円積み立てると9.7%と圧倒的です。
これは1万円の試算なので、5万円積み立てると5倍になります。
もし、毎月5万円ずつ積み立てていれば500万円を超えるリターンです。
一方、楽天VT(全世界株式)の方ですが、こちらは楽天VTI(全米株式)の前に霞んでしまいますが、年平均利回りは5.5%と十分に優秀な数値となっています。
こちらは2008年6月からの価格の伸び率です。
楽天VTI(全米株式)は2.3倍、楽天VT(全世界株式)は1.5倍も伸びています。
分かっていはいましたが、やはり過去実績でみると楽天VTI(全米株式)のリターンは凄まじいですね。
楽天VT(全世界株式)で世界分散しても暴落時のリスクヘッジにはならない
こちらは歴史的大暴落と言われたリーマンショックが発生した時の全米株式と全世界株式の下落率を比べたものです。
2009年2月にリーマン・ショックの底値を迎えますが、全米株式VTI(全米株式)より全世界株式VT(全世界株式)の方が下落率は大きいんです。
2020年2月に発生したコロナショックでも、新興国株が若干下落率が低いですが、どれも似たり寄ったり。
ざっくり見ると25%前後の下落となっています。
これを見ると株式はどんなに世界分散しても、暴落対策にならないことがよく分かりますね。
全世界に分散投資しているのに同じだけ暴落するということは、全世界への分散投資は暴落時のリスクヘッジとなっていないことを表しています。
株式はどんなに分散しても暴落したら下落率はほぼ一緒なんです。
暴落時のリスクヘッジをとるならば、債券や金、現金など、株式以外の投資先に分散しないと意味がないんです。
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ちなみに僕はしっかりと現金を確保することでリスクヘッジをとっています。
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暴落時は同じだけ下落し、株価が伸びても米国株に勝てない。
だったら、米国株だけに投資したらいいのではないか?という考えが生まれるのは当然と言えます。
それでも楽天VT(全世界株式)に投資する理由はあるのか
では、楽天VT(全世界株式)に投資する価値はないのではないか?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
過去の実績では圧倒的に米国株ですが、ここから先の将来は誰も読むことができないからです。
楽天VT(全世界株式)は世界市場ポートフォリオと呼ばれる、全世界の時価総額に合わせて分散投資を行う手法となっていて、世界経済そのものに投資するような銘柄です。
これはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)も同様です。
なので、世界情勢の変化に対しては楽天VTI(全米株式)よりも強いという特性を持っています。
例えば、世界の株価時価総額の約50%を占める米国株が衰退し、30%までシェアを落とすことがあれば、楽天VT(全世界株式)もその変化に合わせて30%まで割合を落とし、米国の代わりに急成長した国の割合を増やしてくれるんです。
このように、世界情勢が大きく変動することに対しては、楽天VT(全世界株式)はリスクヘッジとなるのです。
30年前の最強は米国ではなく日本だった!
と、あなたも思っていることでしょう。
しかし、今現在は最強の米国が衰退することは想像できませんが、30年後はどうなっているか分かりません。
出展:週刊ダイヤモンド
こちら平成元年と平成30年の世界時価総額ランキングです。
30年前の平成元年は、世界を席巻していたのは米国ではなく我が国日本なんです。
30年前の時価総額TOP20の内、14社が日本企業です。
しかし、バブル崩壊後、日本は暗黒の20年という長い低迷期に入り、30年後の現在はTOP20には1社も入っていません。ちなみに平成30年時点の日本企業のトップはトヨタ自動車で35位です。
このように、30年後は世界がどうなっているか分かりません。
米国が衰退する可能性は?
米国株はこの10年でバブルのように株価が上昇しています。しかし、もしかしたら数年後にバブルがはじけるかもしれません。
そしてその後は10年以上低迷する可能性だってあります。
こちらは頂き物の資料ですが、内閣府が発表している今後のGDP推移の予想です。
これからは米国も伸びますが、それ以上にアジア圏のGDPの伸びが大きく2030年には米国を上回ると予想されています。
GDPと株価は相関しないとの意見もありますが、アジアが世界を席巻する可能性は十分あると思います。
もし、米国株が今後衰退し時価総額のTOPから消えるようなことが発生するのであれば、楽天VTを選択していることが強みとなるのです。
まとめ|過去実績ならVTI、将来のリスクヘッジにVT
- 過去の実績で比較すると、圧倒的に楽天VTI(全米株式)
- 楽天VT(全世界株式)も半分以上が米国株
- 将来、米国が衰退するリスクを考慮するなら楽天VT(全世界株式)
過去の実績を取るか、将来の不安を考慮して分散するかは、投資するあなたの考え方次第となります。
米国の将来がどうなっていくのか、というところが楽天VTI(全米株式)を選択するか、楽天VT(全世界株式)のどちらを選択するかのポイントになると思います。
アジア圏の成長やトランプ大統領のハチャメチャぶりがリスクだと感じるのであれば全世界株式に投資てみてはいかがでしょうか?
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