出展:楽天証券
こちらは直近1年の金チャートです。
昨年から金の価格が大きく上昇していますね!
コロナショックの影響で相場の先行きが不透明の中、安全資産とも言われる金をポートフォリオに組み込むか検討している方も多いのではないでしょうか。
僕は以前ウェルスナビを通して金ETFに投資していましたが、その特徴を知らぬまま売却してしまいました。
ということで今回は金ETF(IAU)のチャートを使用して、今一度金に投資する有効性について探っていきたいと思います。
調べてみると、価格が安定していると思っていた金は想像以上にハイリスク・ハイリターンであることが分かりました。
金についてよく知らない方は値動きにビックリすると思いますよ!
この記事を読んでわかること
- 金は15年で価格が約4倍になっている
- ドル建て・円建てで価格推移が大きく異なる
- クッションの役割を期待すると痛い目に遭う
この記事を読んでほしい人
- 相場が不透明な中「有事の金」が気になっている方
- これまで金について気にしたことのない方
今回は金地金の価格に概ね連動するETF「IAU」でシミュレーションを行っています。
なんでGLDじゃないの?って思われる方も多いと思います。
金ETFで有名なGLDと比べIAUは金地金の価格推移とは乖離が大きいETFです。
乖離は大きい物の、GLDと比べ口単価は10分の1で信託報酬も安価なため、少額から投資しやすいという観点からこちらを選んでいます。
目次:ジャンプできます
驚愕の成長率|過去15年の価格推移
こちらは金ETF(IAU)の設定来からのドル建てチャートです。
最初の6年で一気に4.5倍に増え、その後低迷するものの、2020年5月時点では約3.9倍と15年で大きく価格を伸ばしています。
伸びもさることながら、2012年あたりから4年かけて約40%も下落しています。
今回のコロナショックのS&P500の最大下落率(2020年6月時点)が約34%なので、いかに大きく下落しているかが分かります。
金って想像以上にハイリスク・ハイリターンなんです。
過去15年の伸びはS&P500を上回る
先ほどのグラフとS&P500に連動するETF(SPY)のチャートを比べてみました。
今回調べてて一番衝撃を受けた瞬間でした(笑)
何と、この15年の価格の伸びはS&P500を上回ります。
この時点で金にかなり興味が湧いてきませんか?
ドル建て・円建てで値動きが全然違う
当ブログでは恒例のドル建て・円建てのチャート比較です。
ここまで動き方が変わるのは珍しいかもしれませんね。
この15年は為替の影響により、円建てIAUはドル建てと比べ大きな値動きが緩和されています。
円建てグラフの方が堅実に上昇しているように見えますね。
↓為替の影響について詳細はこちら↓
ドル建て・円建ての年平均リターンと年次リスクを算出してみました。
チャート比較では円建ての方がリスクが低そうでしたが、数値にしてみるとほとんど差はありませんでした。
株式のリスクが大体20%くらいなので、株式よりローリスクで平均9%のリターンはかなり優秀ですね。
↓リスクの読み取り方はこちら↓
直近10年でみると値動きはかなり控えめになる
こんなご意見を頂いたので、直近10年を切り取ってみました。
IAUとSPYのグラフは見事に逆転します。
むしろこっちが僕の想像していた金の動きに近いわ
最後の1年でグッと伸びていますが、ほとんどの期間は平らなチャートが続きます。
こちらもドル建て・円建てで表情が違う
直近10年は日本で金に投資する方にとって為替が味方した10年だったようです。
積み立てるとS&P500ほど増えない
はい、恒例の積立シミュレーションです。
円建てのIAUとSPY(S&P500)を毎月1万円ずつ積み立てて比較
- 計算期間はTLTが設定された2002年8月~2020年4月
- IAU・SPYのチャートはYahoo!Financeでダウンロードしたものを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- SPYは配当1.8%(年)を考慮する
- 計算の便宜上、ぴったり1万円購入できることとする
- 手数料は考慮しない
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
最後1年で大きく伸びているものの、期間全体ではそんなに増えませんでした。
これは資産額の少ない時期に一気に伸び、資産額が大きくなってきた後半に低迷が続いたことが原因と思われます。
もし、成長期と低迷期が逆であれば、もしかしたらS&P500をも上回る実績となっていたかもしれませんね。
今度はリターンで比較してみました。
こう見ると、S&P500が低迷している時期にそれを打ち消すように増えているように見えなくもないですが、逆相関というには厳しいですかね(;^_^A
また、リーマンショック時もコロナショック時も一番底ではそれなりに下落しているので、暴落時のクッションとして金を採用すると痛い目に遭う可能性があります。
まとめ|金は安全資産ではなくリスク資産
- 金は15年で価格が約4倍に伸びていて伸び率はS&P500を上回る
- ドル建て・円建てでは値動きが大きく異なる
- 積み立てると過去15年ではS&P500の圧勝
- 暴落時は株式と一緒に下落する
有事の金、安全資産など金に対して安定したイメージを持っていましたが、調べてみると想像以上に大きく値動きをする資産であることが分かりました。
特に円建ての場合は、S&P500が不調な時期も安定していたので、ポートフォリオに加えることで安定感が増すかもしません。
ただ、リスクも15%ほどあるので30%レベルで下落することも想定し、安定した資産として捉えるのではなく株式と違う動きをするリスク資産として認識し扱うことが重要だと思います。
金をポートフォリオに加えるべき?
うーん、個人的な意見ですが、今回の検証ではデータが少ないこともありますが、現時点では見送りかなぁ。
見送る理由は
- クッション資産としてリスク(価格変動)が大きい
- 長期低迷時にモチベーションが保てるか不安
長期では増えると思いますが、暴落時のクッション材として考えるなら、単純にリスク(価格変動)が大きすぎると感じました。
次に長期低迷時のモチベーションについてですが、金は手数料が高めな上、配当等のインカムゲインを生みだせません。
10年級の低迷が続いた時に、他の資産が伸びている中、ただただ手数料だけ払っているような感覚にならないか不安です。
過去の歴史からすると株式級に価格が伸び続けるとは考えにくく、低迷時にモチベーションを保てるか、というところが僕の中で引っ掛かっています。
ただ、これはまだまだ知識不足な僕の個人的な意見でです。
今後、ポートフォリオに加えた場合のシミュレーションなどもやってみて、もうちょっと理解を深めていきたいと思います。
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