いや、昨年から米国株式が絶好調ですね!
最近は特にハイテク株GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)が好調で米国市場をけん引しています。
Twitterを見ててもGAFAMに関するポジティブな発言が明らかに増えてきたように感じます。
確かに、Windowsなしで仕事なんて考えられませんし、Google検索ができないのも考えられません。iPhoneなんて見ない日ないし、アマゾンだって楽天より安い!
これらプラットフォーマーと言われる企業がコケるというのはイメージできませんよね。
だがしかし
20年前に今と似た状況があったんです。
その名もITバブル。
ITバブルとは
1990年代にwindows95の大流行等をきっかけに、IT(Information Technologyの略:インターネットなどの通信とコンピュータとを駆使する情報技術)が爆発的に普及し、それに伴ってアメリカを中心としたIT企業の急伸や異常な株高となった現象です。
「もうインターネットなしなんて考えられない」と世界中の人々がハイテク株に投資した結果、本来の価値以上に値上がりし、バブル崩壊。
その後米国株式は10年以上低迷する暗黒期を迎えることになりました。
↓ITバブル崩壊について詳細はこちら↓
20年の時を経て、再び高騰するハイテク株。
なんかITバブルと似ているような気がして少し心配しています。
ということで今回は、書籍「株式投資」の一節を分かりやすいように少し編集し、ITバブル時の投資家たちの様子をご紹介したいと思います。
初の会話形式です♪
目次:ジャンプできます
参考にした書籍と登場人物をご紹介
今回参考にした書籍は、株式で長期投資をするうえで最も有名な本の一つであるシーゲル教授の「株式投資」。
過去200年分のデータを分析し、株式で資産形成することがとても有効である根拠がこの一冊に記されています。
コンビニでを投資系の雑誌を買って読むくらいなら、まずこの「株式投資」を先に読むことをオススメします。
↓書籍「株式投資」の魅力はこちら↓
今回はこの「株式投資」の19章”行動ファイナンスと投資の心理学”の一部を引用、分かりやすいように加工し20年前のITバブル崩壊をご紹介します。
登場人物
原作はデイブとジェニファーですが、感情移入しやすいよう、親しみやすいキャラクターを準備しました(笑)
名前:ナザール
人の意見に流されやすく、効率的に行動できないでいる個人投資家。
名前:トリナート
ナザールの嫁。愛称トリン。周りに流されやすいナザールが投資をしていることを不安に思っている。
登場する株式指数
ナスダック総合指数
株価指数(テレビなどでよく耳にする日経平均やNYダウ平均など)のひとつ。電子株式市場「NASDAQ」に上場している3,000以上の銘柄の全てを時価総額加重平均で算出した指数。
マイクロソフト等のハイテク関連企業やグーグル等のインターネット関連企業が数多く上場している。
それでは本番行ってみよう!
ITバブル:1999年~2001年の出来事
物語は1999年秋、情報技術とITバブルが市場を席巻し、ピークへと向かう頃から始まります。
1999年10月
我が家のポートフォリオには時代遅れの銘柄しか入っていない。これらの銘柄は最近全く上昇していないんだよね。
同僚のパブロンはインターネット関連株で大儲けしているし、専門家もインターネットが将来のトレンドになるって言ってるんだ。
まったく動かない保有株を売って、アマゾンやヤフーのようなインターネット関連株を買おうと思ってる。
アナタは投資する銘柄についてしっかり調べたの?
フェルビナク(高校時代の同級生)が言うには、IT革命によって仕事の進め方が完全に変わって新しい時代に入ろうとしているらしいんだ。
我が家で投資してる銘柄は時代遅れなんだよ。
もちろんいい時代もあったけど僕らは未来に投資するべきだと思う!
インターネット関連株が乱高下することはよく分かってるし、損しないように慎重にチェックする。
僕を信じてくれよ。
2000年3月
トリン、最新の残高明細を見た?
去年の10月から1.6倍になってるよ!
ナスダックは最高値を更新したし、ここで止まってしまうなんて誰も思わないでしょ。
市場の興奮は広がってて、会社でもこの話題で持ちきりなんだ!
だから継続的にポートフォリオを調整しないといけない。
今は手数料も安いし、株価に影響を与えるどんなニュースにも割に合ってる。
こんなに儲かってるんだから、僕を信用してよ!!
2000年7月
もうインターネット株を保有してないのね。
今保有している銘柄は聞いたことない会社ばかりだけど大丈夫なの?
残念ながら、大して利益はなかったけど損もしなかったよ。
調べてみたら、インターネット関連企業は利益を出していなかったんだ。
今保有してるのは銘柄はインターネットのインフラを提供していて、どの会社も儲かってる!
ゴールドラッシュでも儲かったのは金の採掘者じゃないんだ。
出展:インベスターZ 4巻
出展:インベスターZ 4巻
本当に大丈夫なの?
経済は変化していて、これまでの尺度は当てはまらなくなってきてる。
僕を信じて!
2000年11月
もう20%も損失が膨らんでる・・。
経った2ヵ月で半額まで暴落してしまった(;´Д`)
マジでどうしよう・・。マジでヤバイ。。
2001年8月
証券会社の報告書を見たら、私たちの老後資金の4分の3がなくなってるじゃない!
ちゃんとモニターするってい言ってたのに!
こんなポートフォリオ、ただの大損じゃない( ゚Д゚)
専門家は回復するって言ったのに、下落し続けたんだ・・。
色々勉強して、色んなことを知ってると思ってた。
でもあなたはいつも間違った判断をするわ。
高値で買って安値で売る、勝者を売って敗者を持ち続ける。
アナタって人は・・。
つづく(終わり)
ちなみにITバブルの底値は、ここからさらに1年後です。
この夫婦は大丈夫なのでしょうか(;^_^A
まとめ|〇〇がコケるなんてありえない!バブルの中ではバブルと気付いていない
いかがだったでしょうか?
20年前はインターネットが一般の人たち普及し始め、革命的な影響を与えました。
この本を読んでいる時、当時のインターネット関連企業やそのインフラを供給する企業は、今でいうGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)のよう感覚だったのではないかと感じました。
僕がこの記事を書いたきっかけは、年明けに見た一つのツイートです。
米国では株価と企業収益の乖離が1990年代後半のITバブル以来の大きさ。日本はまだそれほど乖離していないが…(Source: ZeroHedge) pic.twitter.com/5J0LtXzFrU
— H.S. Kim (@xcvbnm67890) January 1, 2020
米国株の株価と企業収益の乖離はITバブル以来の大きさとのこと。
正直、僕には今がバブルなのか、これからまだ伸びるのかは分かりません。
ただ、20年前の人たちは
- インターネット関連企業がコケるなんて考えられない!
- インターネット関連株を買っておけばいい!
と思って投資している人達の多くがバブル崩壊によって退場したという事実。
現在は
- GAFAMがコケるなんて考えられない!
- GAFAMを買っておけばいい!
なんてツイートをよく見かけますね。
市場は最高に見える時に最も危険で、最悪に見える時に最も魅力がある
フランク・J・ウィリアムズ
バブルの中ではそれがバブルと気付ける人は殆どいません。
この10年、爆発的に伸び魅力たっぷりの米国株。
僕もこの魅力にとらわれ、かなりの割合を米国株に投資しています。
普段は高配当などイケイケな記事をたくさん書いていますが、実際はもしかしたら無警戒に危険区域に足を踏み入れているのかもしれない、とビビりながら投資をしています。
愛するトリンに捨てられたくないですしね(笑)
人間は合理的な選択ができないといわれているのに、なぜあなただけは特別なのでしょうか?
なぜ自分だけは暴落に耐えられることが前提なのでしょうか?
もちろん、広い世の中に耐えられる人は存在するでしょう。
しかし、多くの人がそうではないんです。
今がバブルかは分かりませんが、いつか来る暴落時のためにしっかり備えておきましょう。
↓管理人の暴落対策はこちら↓
原作「株式投資」では投資の心理学にスポットを当てている
今回は書籍「株式投資」の一節を使用し、現在とITバブル崩壊を重ねてみましたが、原作ではこの会話を基に「行動ファイナンスと投資の心理学」について深く解説されています。
会話を見て感じた方もいると思いますが、劇中のナザール君は心理的な罠にハマり、狼狽売りや見通しのない追加投資などの失敗を犯しています。
Twitterを見てると「自分はあんな失敗はしない」と信じている方は多い。
しかし、バブル崩壊時は多くの人々がこのような失敗を犯し退場していきました。
一度「株式投資」の「行動ファイナンスと投資の心理学」を読んでみてください。
米国株の魅力とそのリスクについて新たな発見があるかもしれませんよ。
↓書籍「株式投資」の魅力はこちら↓
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