SPYD・VYM・HDVと米国株高配当投資が大人気ですよね(^^)
しかし、無知無策で高配当ETF界に飛び込むのはあまりに危険なので、実際の銘柄を検証しながら知識を深めていきたいと思います。
ここまでVYM、HDV、オマケでVTIについて検証し、それぞれがとても優秀なETFであることが分かりました。
↓過去の高配当ETFの検証はこちら↓
高配当ETF検証の第4回目となる今回は高配当ETFの中では圧倒的な配当利回りを実現するSPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF)について検証します。
高配当ETFで検索すると、株価の伸びや配当利回りを比較する記事はよく見ますが、積立シミュレーションをしている記事は少ないので、毎月定額を積み立てた場合のトータルリターンや配当利回りを調べてみました。
これから米国高配当ETFを検討している方は一緒に勉強していきいましょう♪
この記事を読んで分かること
- SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF)の特徴
- SPYDを積み立てた場合の配当金・リターン・リスク
- HDV・VYM・VTIとの配当金・リターン・リスク比較
この記事を読んでほしい人
- これから米国高配当ETFに挑戦したい方
- SPYDかHDV、VYM、VTIで迷ってる方
先に結果を言いますと、今回のシミュレーションではSPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF)を設定来から毎月約3万円分購入し続けた場合、
約4年間でもらえる配当金総額は
- SPYD:13万円
同条件の場合
- HDV:9.9万円
- VYM:8.8万円
- VTI:6.2万円
とライバルETF大きく上回るという結果となりました。
シミュレーション期間が短いのでこの時点での判断は少し難しいですが、貰える配当金は頭2つ分くらい抜けてますね。
配当金という目的で投資をするのであれば、とりあえずSPYDでいいのではないかと思ってしまいました。
今回はこの4銘柄のリスク・リターン・配当金の比較してみましたので、高配当ETF選択の手助けになれば幸いです(^^)
目次:ジャンプできます
SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF)とは
という方のために簡単にSPYDを簡単にご紹介します。
SPYD(SPDR ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF)
S&P500(米国の大型株500銘柄)の内、配当利回り上位80社を均等加重で構成したETFです。
- インデックス:S&P500高配当指数
- 信託報酬:0.07%
- 銘柄数:80
- 平均配当利回り:4.68%
S&P500に含まれる超優良企業で構成されている安心感と他を圧倒する配当利回り、そして日本円で約4,000円程度で購入できるというお手軽さから人気爆発中のETFなんです。
S&P500やVTI・VYMは時価総額加重平均と言って、時価総額の大きさによって配分が異なります。
対してSPYDは、時価総額に関係なく80社を均等に配分する均等加重平均で構成されているという大きな特徴を持っています。
時価総額加重だと時価総額の小さい銘柄が反映されにくいですが、均等加重だと「時価総額は小さいけど配当利回りは高い」という企業の恩恵も時価総額の大きな企業と同様に反映させることができるんです。
セクター比率は気にしても意味はない
こちらは2020年2月時点でのSPYDのセクター比率です。
一般消費財と不動産(REIT)が大きな割合を占めていますね。
という方も安心してください。
SPYDに関してはセクター比率は気にしてもあまり意味はありません。
そもそも、SPYDは「S&P500の高配当利回り上位80銘柄」という基準で構成されています。
高配当順に上位80銘柄を選んだらたまたまこういう比率であっただけで、意図してこのセクター比率にしている訳ではないんです。
今後大暴落に巻き込まれたらセクター比率は大きく変わるかもしれませんね。
株価の動き
こちらはSPYDが設定された年からのドル建て・円建てチャートです。
SPYDは配当金に特化したETFなので、S&P500やVTIと比べると株価の伸びは穏やかですが、4年間でドル建て1.3倍・円建て1.2倍としっかり成長していますね。
皆さんは高配当投資で得た配当金は日本円で消費しますよね。
よくネットに出ているチャートはドル建てが多いですが、日本で生活している限り、必ず円に変換が必要です。
なので、今回のシミュレーションは全て円建てで行っています。
この4年間で見ると残念ながら為替はマイナスに働いています。
2018年12月に発生した大きな下落部部でも分かるように、株価の上下動を見ても円建ての方が振り幅が大きいので為替によってハイリスクになっていることも分かります。
これは配当金も同じように影響を受けるので、円に戻すときは注意したいですね。
このように日本円に変換する際の為替リスクは想像以上に大きいということは知っておきましょう。
↓為替リスクについて詳しくはこちら↓
追記|暴落時は大きく下落する
こちらはコロナショックから3週間のHDV・VYM・VTI・SPYDのチャート比較です。
グラフで比べてみると差が激しいですね。
SPYDはこの3週間で価格が4分の3にまで下落しました。
先ほども説明した通り、SPYDは均等加重平均なので時価総額(規模)の小さい銘柄も時価総額の大きい銘柄と株価に与える影響度は同じです。
さらに企業の規模や安定感等は関係なく配当上位80社を集めたETF(HDVは財政の健全性等も考慮されている)なので、他のETFと比べると不安定な銘柄が多く急落・暴落の影響を受けやすい銘柄なのです。
↓詳しくはこちら↓
SPYDリターンシミュレーション
はい、それでは恒例の積立シミュレーションいってみましょう!
世にSPYDのトータルリターンを記した記事は数あれど、積み立てた場合のシミュレーションはそんなにありません(たぶん)
僕は入金力の低い一般サラリーマンであり、一括投資は現実的ではない(やったら嫁さんに殺されるw)ので毎月積立で投資する予定です。
円建てのSPYDに約3万円積み立てる
- 計算期間はSPYDが設定された2015年10月~2019年12月
- SPYDのチャートはTradingviewでダウンロードしたものを使用ものを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 約3万円分の株数を積み立てる
※ピッタリ買えないので3万円÷株価で四捨五入した整数の数を購入する - 配当は設定来からの平均4.68%に外国税・国内税を差し引いた3.37%で計算
- 配当金が株価を超えた場合に追加投資する
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
今回はSPYDの販売されて4年程しか経ってなく短期間のシミュレーションとなるので、配当金の再投資が少し効率的になるように分母を増やしてみました。
円建ての平均リターンは4.38%
シミュレーション結果です。
配当金がテーマなので、配当金を全て消費した場合、全て再投資した場合で比較しました。
シミュレーション期間が約4年と短いので何とも言えませんが、配当金を再投資した場合、SPYDを毎月3万円買い続けると元本の約1.2倍、180万円まで増加し、平均配当込みリターンは4.38%でした。
こちらはリターン・リスク・累計配当金を比較した表です。
(トータルリターンは元本を差し引いた数値となっています)
毎月約3万円ずつ買い続けると約4年でもらえる配当の累計額は13万円でした。
今回のシミュレーションでは配当金を消費した場合と再投資した場合では、累計配当金は7,000円しか差がありません。
もう3回目になりますが、これを
- 7,000円しか違わないなら使ってしまおう
- たった7,000円の差が再投資すると14万円を生む
と考えるかは人それぞれです。
ただし、再投資によって年平均リターンが2.1%も変わってくるので、将来の資産形成を目的に投資をしているのなら再投資をした方が良いでしょう。
月3万円が4年間で13万円の収入を生み出す
トータルリターンが分かったので、今度は配当収入にスポットを当ててみましょう。
こちらは配当金を年別に比較したグラフです。
これまでご紹介した通り、配当金を全て再投資した場合、約4年間で総額13万円の収入になります。
最終年の配当金は5.4万円、月額換算で4,500円の収入になります。
優秀だね!!
SPYDの配当利回りは平均4.68%、税引き後(国外・国内税)でも3.37%と非常に高く、長期間積み立て続けることで複利効果により貰える配当金はもっと効率よく増えると思われます。
ちなみにここまでシミュレーションしてきたHDV・VYMの配当金をSPYDははるかに上回ります。
↓HDV・VYMについて詳細はこちら↓
それではHDV・VYMどれくらい差があるのか比較してみましょう。
SPYDをライバル銘柄と徹底比較!
こちらはSPYDが設定された2015年10月からのSPYD・VYM・HDV・VTIとの円建てチャート比較です。
4年間だけのチャートですが、株価の伸びはさすがのVTI、頭一つ抜けていますね。
続いて総合力の高いVYM、配当特化型のSPYD、HDVと続きます。
このチャートで見ると、高配当に特化すればするほど株価の伸びは控えめになっていることが分かります。
僕は今大部分をVTIに投資していて、インカムゲイン(配当収入)ではなくキャピタルゲイン(株価値上がりよる利益)がメインです。
僕もそうですが、投資初心者の方でインカム・キャピタルのどちらが自分に合っているかが現時点ではまだ分からない方は多いと思ったので今回は比較対象として入れています。
今回の比較で、自分の資産の増え方を想像してもらえると幸いです(^^)
SPYDの配当金は圧倒的
こちらはSPYDとHDV・VYM・VTIの配当金を年別に比較したグラフです。
ご覧の通り、配当金で見るとSPYDは圧倒的です。
4銘柄とも、今のところ株価が上昇しても配当利回りを維持しているので、株価が上がれば上がるほど元本に対しての配当利回りは向上してきます。
ちなみに元本をベースに配当利回りを計算すると、
元本ベース2019年の配当利回り(税引き後)
- SPYD 3.55%
- HDV 2.85%
- VYM 2.79%
- VTI 1.66%
数字で並べてもSPYDの高さが光りますね。
トータルリターンはVTIが断トツ
こちらは円建てSPYDとHDV・VYM・VTIを毎月約3万円を積み立て、配当金を全て再投資したトータルリターンの比較です。
※ETFの場合はきっちり3万円購入ができず元本が異なるので、グラフは元本に対する割合で示しています。
年平均リターン(配当込み)
- SPYD 4.38% 28.4万円
- HDV 4.68% 30万円
- VYM 4.64% 29.1万円
- VTI 6.04% 40.4万円
あくまでも4年間の実績ですが、さすがVTI!
元本を引いたトータルリターンで見るとその差は顕著です。
同じように毎月3万円を積み立てているのに、SPYDとVTIではたった4年間でトータルリターンに1.4倍以上の差がつきました。
20~30年単位の長期投資だと、高配当投資とインデックス投資ではリターンにかなり大きな差が生まれる可能性があるということは頭に入れておきたいですね。
(4年間の)リスクはそんなに変わらない
この4銘柄でリーマンショックを乗り越えているのはVYMとVTIだけなので、同列には見れませんが、2018年末に起きた割と大きな下落時の値動きでみると、VTIはちょっと変動が大きいですが、他の高配当3銘柄に大きな差はありませんでした。
年次リスクで見ても数値上はそんなに差がありません。
若干HDVがローリスクに見えますが、4年間という短いシミュレーション期間なのでローリスクと言い切るにはこれだけではデータが少ないですね。
何を選ぶかは「投資の目的」で決める
こちらはSPYDとHDV・VYM・VTIのトータルリターン・配当金の比較です。
インカムゲイン(配当収入)とキャピタルゲイン(株価上昇による利益)が反比例していますね。
と迷う方は、自分の投資の目的を振り返ってみましょう。
投資の目的
- 将来に向けて安定した収入源を確保したい
- 将来に向けて資産を最大化したい
目的が収入源の確保であるならば、今回の場合はSPYDが最適解です。
資産の最大化が目的ならVTIやS&P500系ETFの方が適しています。
ただ、これはどちらが正解という訳ではなく、0か1かである必要もありません。
長期投資のモチベーションを保つために両方をバランスよく取り組むのも立派な資産運用ですす。
- 配当利回りが優秀なSPYD・HDV
- 資産の最大化ならVTI
- 両方をハイバランスにこなすVYM
自分はこれからどうしたいのか、何のために投資をしているのかをもう一度思い出し、自分には何が合っているのかを考えてみましょう。
まとめ|配当収入が目的ならSPYDは優秀
- SPYDはS&P500の配当利回り上位80社の均等加重で構成されるETF
- 配当利回りはライバル高配当ETFを大きく上回る
- トータルリターンではVTIに劣る。
SPYDを毎月約3万円4年買い続け配当金を再投資すると
- トータルリターンは28.4万円
- 月4,500円の配当収入になる
今回シミュレーションをしてみて、SPYDは高配当戦略として超優秀な銘柄であるということが分かりました。
しかも、ライバルETFと比べ価格が安く、約4,000円程度でお手軽に購入できます。
この安さのお陰で、投資序盤から配当金を効率的に再投資できるのもメリットの一つですね。
ここまでHDV・VYMと高配当銘柄を特集し、それぞれとても魅力的と感じましたが、S&P500に入る実力のある優良企業×断トツの高配当の威力は凄まじく、これまでの全てを吹き飛ばすほど魅力的に感じました。
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