前回の記事でVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)でどれくらい配当収入になるのかをシミュレーションしました。
シミュレーションの結果、配当利回りは3.25%(税引き後2.34%)とパッとしないものの、キャピタルゲイン(株価上昇による利益)によって分母である原資が底上げされしっかりとした配当収入になることが分かりました。
↓VYMの配当について詳しくはこちら↓
実は、VYMの分析をしている最中にTwitterでこんなやり取りがあったんです。
調べてみると、VTI(全米株式)の直近10年の平均配当利回りは2.09%(税引き前)でした。
ここで僕は思ったんです。
キャピタルゲイン最強のVTIなら高配当投資でも凄いのではないか
配当利回り2%は決して高配当ではありませんが、VTIはこの10年間で株価は3倍以上に成長しています。
元本ベースで単純に考えると、10年前に購入したVTIは現在購入価格に対して6%の配当を生んでいることになるんです。
しかも楽天証券だとVTIは買い付け手数料も無料!
ということで今回はVTI(全米株式)の過去チャートを使用して、VTI(全米株式)が高配当投資として成立するのかを検証してみました。
併せて、前回のVYMとの配当利回り・トータルリターン・リスクの比較もしていますので、是非お読みください(^^)
この記事を読んで分かること
- VTI(全米株式)の特徴
- VTIを積み立てた場合の配当シミュレーション
- VYMとの配当・リターン・リスクの比較
この記事を読んでほしい人
- これから米国高配当ETFに挑戦したい方
- VTIに興味のある方
先に結論を言いますと、今回のシミュレーションではVTI(全米株式)を毎月約2万円分購入し続けると、13年後の配当収入は月9,000円の不労所得になり、VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)の月13,000円には遠く及びませんでした(;^_^A
今回のシミュレーションで配当収入に大きな差が出てしまった大きな要因はその強烈なキャピタルゲイン(株価上昇による利益)でした。
キャピタルが強烈に上がりすぎて配当金を効率益に再投資できなかったんです。
それでは、その詳細をご紹介します。
目次:ジャンプできます
VTI(全米株式)とは
VTIて何?という方のために簡単に紹介します。
VTIとは
バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの略で、組み入れ銘柄数は約3,500銘柄、VTIだけで米国株式のほぼ100%をカバーでき、米国経済の成長そのものを商品化したような銘柄です。
こちらはVTIに含まれる純資産額にしめる割合のTOP10です。(2018年データ)
上位にはアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(google)等、そうそうたる企業が並んでいます。
iphoneがなくなって、会社のPCもwindowsではなくなって、アマゾンで買い物もできなければgoogle検索もできない。こんな世の中想像できますか?
それだけスゴい銘柄が組み込まれているのがこのVTIなんです。
僕はこのVTIの投資信託版である楽天VTIに投資していて、現時点では一番大きなウエイトを占めている銘柄です。
つみたてNISAも楽天VTIですが、2019年に引き続き2020年1月時点も絶好調で含み益は20%を超えています。
↓楽天VTIの魅力について詳しくはこちら↓
VTIの価格推移
こちらはVTIのドル建て・円建てチャートです。
皆さんは高配当投資で得た配当金は日本円で消費しますよね。
よくネットに出ているチャートはドル建てが多いですが、日本で生活している限り、必ず円に変換が必要です。
なので、今回のシミュレーションは全て円建てで行っています。
2019年末時点ではドル建てでは228%、円建て214%とあまり差がありませんが、リーマンショック時はドル建てより10%余分に暴落し、その後長く低迷しています。
日本円に変換する際の為替リスクは想像以上に大きいということは知っておきましょう。
↓為替リスクについて詳しくはこちら↓
VTIリターンシミュレーション
はい、それでは恒例の積立シミュレーションいってみましょう!
円建てのVTIに約2万円積み立てる
- 計算期間はVYMと比較するため2006年11月~2019年12月
- VTIのチャートはTradingviewでダウンロードしたものを使用ものを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 約2万円分の株数を積み立てる
※ピッタリ買えないので2万円÷株価で四捨五入した整数の数を購入する - 配当は過去10年の平均2.09%に外国税・国内税を差し引いた1.50%で計算
- 配当金が株価を超えた場合に追加投資する
- 手数料は考慮しない
- 平均リターンは算術計算
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
円建でも平均リターンは10.72%と凄まじい
シミュレーション結果です。
(トータルリターンは元本を差し引いた数値となっています)
配当金がテーマなので、配当金を全て消費した場合、全て再投資した場合で比較しました。
配当金を再投資した場合、VTIを毎月2万円買い続けると元本の2倍以上の760万円まで膨れ上がり、チャートではドル建てより劣後しながらも平均リターンは10.72%と凄まじい結果となりました。
高配当投資としてはイマイチ。
トータルリターンが十分優秀なことが分かったので、今度は配当収入にスポットを当ててみましょう。
配当金を全て再投資した場合、13年後の2019年にもらえる配当金は10.7万円(月9,000円)と、15.7万円(月1.3万円)だったVYMと比べると物足りない結果となりました。
僕もシミュレーションするまでそう思っていたのですが、計算してみるとキャピタルゲイン(株価上昇による利益)とインカムゲイン(配当収入)のバランスが悪い。
決して高くない配当利回りに対し、もともと株価が高く上に凄まじく値上がりしていくので、配当金を効率的に再投資ができなかったのが大きな要因です。
月5万円に増額してもリターンはそんなに変わらない
と思ったので積立額2.5倍の月5万円でもシミュレーションしてみました。
月5万円にするとキャピタルゲイン(株価上昇による利益)が凄まじいことになりますね(;^_^A
2万円と比べると若干配当利回り(元本ベース)は改善していますが、高配当投資としての魅力はそんなに上がりませんでした。
比較|高配当投資としてはVYMの方が優秀
こちらはVTIとVYMを毎月約2万円ずつ購入した場合の年別配当金比較です。
VYMの設定日である2006年から始めると
13年後の2019年の配当金
- VTI:107,000円(月額9,000円)
- VYM:157,000円(月額13,000円)
さすが高配当と謳っているだけありVYMの圧勝ですね。
今回のシミュレーションでは、VYMは毎月2万円積み立てるだけで13年後に月1.3万円のインカムゲイン(配当収入)とかなり優秀です。
トータルリターンはVTIの勝利
こちらは円建てのVTI・VYMのチャートを比較したグラフです。
株価の動きは世界最強クラスであるVTIが当然上回ります。
しかし、チャートが劣後していてもリターンは異なるのが積立投資の面白いトコロ。
トータルリターンで比べるみると・・・
ビックリ仰天、低迷時の積み立てと効率的な配当金再投資によりトータルリターンははVTIに肉薄します。
VTIの分析をしていたのに、VYMの優秀さを発見してしまいました(笑)
今回のシミュレーションでは配当利回りを過去10年の平均値一定で計算していますので、実際のトータルリターンとは若干異なりますのでご注意ください。
こちらはリターン比較を表にまとめたものです。
(トータルリターンは元本を差し引いた数値となっています)
VYMが超優秀なことが発見されてしまいましたが、そうはいってもVTIのキャピタルゲイン(株価上昇による利益)は凄まじく、たった2万円の積み立てでも13年後には約40万円VYMよりも資産は多くなります。
まとめ|VTIは超優秀だが高配当投資には向かない
円建てVTIを毎月2万円13年買い続け配当金を再投資すると
- トータルリターンは445万円
- 月9,000円の配当収入になる
キャピタルゲイン(株価上昇による利益)を狙うなら超優秀だが、高配当戦略として投資するならVYMの方が優秀。
今回のシミュレーションの結果、キャピタルゲインが強烈すぎると高配当投資には向かないことが分かりました。
VTIとVYMどちらか迷った場合は
- 将来の資産を最大化したいならVTI
- 将来安定した配当収入が欲しいならVYM
と自分の資産運用における目的で選んでみるといいと思います(^^)
今回のシミュレーションの落とし穴
VYMのシミュレーションも同じ事が言えるのですが、今回のシミュレーションには株価という落とし穴があります。
13年前のVTIの価格や約8,000円でしたが現在は約17,000円で、予算2万円だと1株しか買えません。
もし、ここからさらに株価が2倍・3倍と成長していくと、僕のように入金力の低い一般サラリーマンでは効率良く投資できなくなる可能性があります。
投資初心者には楽天VTIでつみたてNISAがおすすめ
と思っている方には投資信託の楽天VTIがおすすめです。
楽天VTIは簡単に言うと運用会社がVTIを買い付けて小分けにして売ってくれる商品です。
↓VTIと楽天VTIの違いについて詳細はこちら↓
しかもこの楽天VTI、つみたてNISAに対応しているため、通常利益にかかる20%の税金が非課税と超お得です。
僕は還元率が高く、楽天ポイント(普段の買い物ポイント)で投資ができる楽天証券でつみたてNISAを運用しています。
これから投資を始めるなら、これを機にまずは つみたてNISAから始めてみませんか?
↓口座開設(無料)はこちら↓
↓楽天証券の詳細はこちら↓
↓つみたてNISAについての詳細はこちら↓
ブログ村ランキングに参加しています。あなたのワンクリックがとてもモチベーションになっています。