
この10年で約3倍になった米国株インデックスS&P500。
他の地域の追随を許さない圧倒的な実力で、インデックス投資のメインとして運用している方も多いでしょう。
しかし、当サイトで何度も紹介していますが、米国株インデックスも10年以上低迷してきた過去がありました。
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そんなあなたのために、今回は10年前に投資家が見ていたであろう景色をインデックス投資の目線から再現してみたいと思います。
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10年前のできごと

まずは10年前にどんな出来事があったのか思い出してみましょう♪
当時は民主党政権でした
- 鳩山政権
- 普天間基地「最低でも県外」
- 高速道路無料化実験
- TPP参加表明
芸能では
- 第2回AKB総選挙で大島優子が1位に
- ヘビー・ローテーションがミリオンヒット
- AKB商法
海外では
- iPhone 4が世界的ヒット
- 初代iPad発売
- 中国のGDPが日本を超えて世界2位に
その他にも、半沢直樹の元ネタであるJAL倒産や、橋下大阪府知事による「大阪都構想」などの出来事がありました。
そして、翌年はあの東日本大震災が起きた年です。
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10年前の米国株インデックス

こちらは10年前のSPY(S&P500に連動するETF)の10年チャートです。
10年前はITバブル崩壊の真っ只中、その後回復するもリーマンショックで大暴落。
当サイトでも米国株の暗黒時代として紹介している期間です。
QQQはもっと悲惨

ITバブル崩壊の震源地と言ってもいいかもしれないハイテク株を多く含むQQQ(NASUDAQ100に連動するETF)。
下落っぷりはSPY(S&P500に連動するETF)の比ではなく、80%以上の下落という世界大恐慌級に暴落しました。
その後、ITバブルの最高値まで価格が戻ったのはたった4年前の2016年です。
あなたはこのチャートを見て投資できますか?
↓QQQの暗黒時代について詳細はこちら↓

10年前の日経平均

次に10年前の日経平均の10年チャートです。
こちらもITバブル崩壊やリーマンショックの影響を受け、米国株インデックスと同じような動きをしています。
株式って地域が違っても相関が高いので、暴落時は同じように暴落することが多いんです。

ちなみに、今年発生したコロナショックでも株式は地域にかかわらず同じように暴落しています。

10年前の日経はS&P500とほぼ互角

こちらは10年前の日経平均とS&P500の10年チャートです。
今からでは想像できませんが、この10年間は日経もS&P500も大差なかったようです。
むしろ2000年中盤は日経の方がハイパフォーマンスですね。
米国株よりハイパフォーマンスだった新興国株

こちらはVWO(新興国株インデックス)の2005年から2010年のチャートです。
新興国株インデックスってまだ歴史が浅く、20年単位のファンドがないんです。

2005年、小泉純一郎率いる自民党が衆議院議員選挙に圧勝。日本の規制緩和が進むのではないかという外国人投資家の思惑もあり、株価は上昇しました。
~中略~
そして、この頃はまだ、新興国株式に投資するインデックスファンドは、個人に一般開放されていませんでした。
2005年に設定されたVWOも個人が日本で投資することは難しかったようです。
追記:過去30年データを入手できたのでS&P500と比較してみました♪

この期間の新興国は米国を大きく上回る

こちらは2005年3月~2010年11月までのVWO(新興国株インデックス)とSPY(S&P500に連動したETF)のチャート比較です。
2000年代は新興国株式に勢いのある時期でした。
SPY(S&P500に連動したETF)チャートが平らに見えてしまいますね(;^_^A
しかしリーマンショック時の暴落率を見ると凄まじい。
当時のVWO(新興国株インデックス)はハイリスク・ハイリターンな銘柄と言えます。
10年前の全世界株式インデックス

全世界株式インデックスは新興国株インデックスよりも更に歴史が短く、一番古いMSCI ACWI(全世界株式に連動するETF)でも2008年からと、2010年時点では約3年程の若いファンドしかありません。(もっと古いものがあればご一報ください)

こちらはSPY(S&P500に連動したETF)との比較です。
比較期間が3年と短いですが、この間はMSCI ACWI(全世界株式に連動するETF)とSPY(S&P500に連動したETF)はほぼ同じパフォーマンスでした。
ファンドの歴史は浅い全世界株式ですが、以前30年分のチャートを入手して分析していますので良かったらご覧ください(^^)


10年前の金(GOLD)は圧倒的

こちらは2000年から2010年の金(ドル建て)のチャートです。(すみません、きれいなチャートを入手できませんでした。)
今回調べた資産の中で唯一右肩上がりでした。

2004年に設定されたGLD(金に連動するETF)とSPY(S&P500に連動したETF)を比較してみました。
なかなか衝撃的ですよね!
10年前の金はS&P500を大きく上回っていたんです。
2010年以降は大きく下落するのですが、金って想像以上に値動きが大きくハイリスク・ハイリターンな資産なんです。
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まとめ|10年前はインデックス投資って全然人気がなかったのではないか

10年前は
- 米国株インデックスは全然増えない
- 米国ハイテク株はもっと悲惨
- 日経も全然増えない
- 新興国は好調だったが投資できない
- 全世界は出来たばっかりで米国株リターン変わらず
- 金だけが今回の中で唯一右肩上がりで米国株を上回る
ということで、10年前に投資家が見ていたであろう景色をインデックス目線で再現してみました。
10年前は現在大人気のS&P500やQQQ、VTは投資しても増えない時代でした。
こうやってみると一つの疑問が湧いてきます。
米国株どころかインデックス投資そのものが不人気だったのではないか
10年前のインデックスチャートはどれもこれも微妙なものばかり。
今回のチャートだけみると、ほとんどの人が金か新興国に投資するはずです。
おそらく10年前のインデックス投資って、ほとんど話題にならなかったんじゃないかと思います。(今ほどお手軽に投資できる環境もありませんでした。)

いくら長期でみると右肩上がりと言われても、あなたはこのチャートを見て投資しようと思いますか?
人間ってどうしても直近の成績に目が行き、長期でものを見るのが苦手です。
なので今米国株インデックス投資が人気なのって、直近10年の調子が良かったことが大きな要因だと思っています。
もしかしたら近い将来、10年前のようにどの地域のインデックスもパッとしない時期が来るかもしれません。
おそらくそのような時期が数年単位で続くと、投資を続けることがツラくなってくるはずです。
今投資している銘柄はどんなリスクがあるのか、どれくらい低迷する可能性があるのかをしっかりと認識し、健やかなる時も病める時も投資を続けることを誓いましょう(笑)

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