僕はこれまでブログやTwitterなどで、暴落耐性が強く投資初心者でも取り組みやすい手法として現金比率50%(カウチポテトポートフォリオ)を紹介してきました。
現金は急落から守る盾、そして買い付け余力という矛となります。
現金をしっかり持っておくことで心に余裕が生まれ、暴落に巻き込まれても退場する可能性を下げられる考えています。
これから投資を始める方は、まずは資金管理によるリスクコントロールを行うことがとても重要なのです。
株価が下落していますが、僕が全然平気なのはカウチポテトポートフォリオのお陰かもしれないhttps://t.co/KdC9npu5kN
カウチポテトはシンプルなルールでリスク対策ができるので投資初心者にオススメの投資方法です(^^)
今の下落にソワソワしているなら、下落に強いカウチポテトを検討してみては?
— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) February 28, 2020
実際に今回のコロナショックでも現金をしっかり持っておくことの効果は絶大で、精神的ダメージはゼロ、むしろ買い付け余力をどう有効活用しようかワクワクするほどでした。
しかし、この現金比率50%(カウチポテトポートフォリオ)にも大きな弱点があります。
資産大きくなるにつれ比率の維持に膨大な現金が必要になる
こちらは2007年4月からS&P500を現金比率50%で毎月3万円積み立て、比率が+5%を超えたらノーセルリバランスをした場合の、それぞれの積立額推移です。
積立期間13年、現金比率50%を維持しようとるには、S&P500積立額の約2.6倍もの現金が必要なんです。
投資に関してはかなり慎重派な僕ですが
と思ってしまったのです。
もう少しリターンの効率は良くならないだろうか?
当ブログでは現金比率50%で紹介していますが、カウチポテトポートフォリオとは本来 株式と債券を半々で持つ方法です。
ということで、株式よりリスクの低い債券(今回は米国債券BND)を現金部分に混ぜ、本来のカウチポテトポートフォリオに近づけることで、現金比率50%の弱点を補うことができるかどうか調べてみました。
この記事を読んでわかること
- 現金部分に債券を混ぜることで変動するリターンとリスク
- 暴落時に減る資産額の目安
この記事を読んでほしい人
- 現在現金比率50%で運用している方
- リスクは負いたくないけど現金比率50%は非効率だと思っている方
実は前回の検証記事でも債券を混ぜた積立シミュレーションをやってみたのですが、1口単位での積立計算だったので、今回は他の債券と同じ条件で比較できるように定額で計算をしてみました。
↓米国債券BNDについて詳しくはこちら↓
目次:ジャンプできます
現金の半分をBNDにすると13年でパフォーマンスは5.6%向上
まずはシミュレーション条件です。
円建てのSPY(S&P500)・BNDを毎月合計3万円積み立てる
- 計算期間はBNDが設定された2007年4月~2020年4月
- BND・SPYのチャートはYahoo!Financeでダウンロードしたものを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 計算の便宜上、毎月定額で購入・配当金も全額再投資できることとする
- 配当金は税引き後 BND2.14%、SPY1.44%で計算
- 資産配分が+5%でノーセルリバランス
- 手数料・税金などは考慮しない
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
こんなツイートを発見したので、SPY40:現金30:BND40も追加で計算してみました。
今後、他の債券とも比較できるようにあえて定額で計算しています。
実際のETFはピッタリな金額で購入はできませんのでご注意ください。
リスク資産が多い方が資産が伸びる傾向
それではシミュレーション結果です。
当然ですが、一番リスクを負うSPY(S&P500)にフルインベストのリターンが一番良いです。
続いて現金をそっくりBNDに置き換えた場合、BNDを25%混ぜた場合と続きます。
現金比率50%を基準として一覧表にするとこんな感じ。
米国債券BNDを25%混ぜる13年積み立てると、リターンは5.6%向上します。
表を見るとリスク資産が多い方がリターンが良い傾向ですね。
SPY40:現金30:BND40は一番ハイリターンなSPYの比率が低いせいかあまり伸びませんでした。
現金と比べると暴落時のリスクは上昇する傾向
次にリスクがどう変化するかを見てみました。
パフォーマンスが向上しても、それ以上にリスクが上がるとカウチポテトポートフォリオの観点から言うとあまり意味がないですからね。
こちらは米国債券BND設定来からのドル建て・円建てチャート比較です。
高い安定感で人気の米国債券BNDですが、為替の影響により価格変動が大きくなっていることが分かりますね。
これがどれくらいリスクを向上させるのかが心配なところです。
暴落時のシミュレーション条件
米国債券BNDは設定されて13年程度しか経っておらず、先ほどの積立シミュレーションは積立開始直後にリーマンショックに遭遇してしまいます。
このタイミングの暴落だと資産額が小さすぎて毎月の積立額の影響を大きく受けてしまうので、今回は積立シミュレーションとは別けてシミュレーションを実施てみましました。
暴落開始時に100万円投資していた場合、どこまで資産が減少するのかを調査
- 積み立ては行わず、どれかの資産比率が+5%でリバランスを実施する
- 配当金は税引き後 BND2.14%、SPY1.44%で計算し全額再投資できることとする
- 手数料・税金などは考慮しない
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
リーマンショック時の資産額推移
2007年10月、リーマンショック直前の最高値からの価格推移を比較しました。
リーマンショック時は同時に円高も発生したため、円建てSPY(S&P500)は最大64%減と激しく暴落しています。
1,000万円だと369万円まで資産が減る、と考えると恐ろしいですね。
↓暴落と円高について詳しくはこちら↓
今回の条件で一番下落率が低かったのはリクエストで追加した比率、SPY40:現金30:BND40で底値で34%減でした。
やはりリスク資産の比率が少ないと防御力は高いみたいです。
続いて現金比率50%、BND25%、BND50%という結果でした。
債券の比率によって10%くらいは下落率に差が出るみたいです。
コロナショックでもやってみた
今回のコロナショックではどうだったのかも調べてみました。
6月14日時点ではSPY40:現金30:BND40が一番優秀な結果ですね。
ここでもSPYフルインベストは大きく下落しています。
そしてフルインベスト以外は大体5%範囲で似たような推移をしていることが分かります。
Twitterでこんなリプいただいたので、今回のシミュレーションは簡易計算ながらも、なかなか良い線を突いてるみたいです♪
生々しい金額ですが、暴落の痛みはとっても分かりやすいですね。
まとめ|投資効率は似たり寄ったり
もうちょっと差が出ると思ってたのですが、結論を出しにくい結果が出てしまいました(笑)
これらの結果を基に、最後にリターンとリスク、シャープレシオを算出してみました。
↓リスク・シャープレシオについて詳しくはこちら↓
今回のシミュレーションでは投資効率を表すシャープレシオはSPY(S&P500)100%も含め、ほぼ同じ数値でした。
とっても地味ですが「リターンとリスクはトレードオフ」がキレイに表れています。
懸念されるリスクとして、金利が挙げられます。
こちらは米国10年債の金利推移です。
債券は金利が下がると価格が上がるという性質を持っていますが、1980年以降金利は下がり続けていて、下げ幅はあまり残っていません。
元々値動きの少ない米国債券BNDですが、しばらくは価格上昇はあまり期待できないかも。
米国債券BNDの金利リスクについては、ななしさん(@_teeeeest)のブログで詳しく触れられているので、是非お読みください。
- 現金比率50%を維持するには多額の現金が必要
- 米国債券BNDを混ぜるとリターンは向上する
- リスクも向上する
- シャープレシオ(投資効率)は似たり寄ったり
これはね、ぶっちゃけ好みですね。
自分の中で
- これは大人しすぎる
- これくらいがちょうどいい
- これは激しすぎる
という微妙で繊細な感覚があるはずです。
長期投資を続けるにはいかにストレスを軽減できるかが重要なので、僕はこの微妙で繊細な感覚を守ることは大切だと思っています。
結局のところ、リターンを得るにはリスクを負うしかないので、自分のフィーリングに合う配分を選びましょう。
次はもう少しハイリスク・ハイリターンな米国債券TLTで検証してみたいと思います。
お楽しみに♪
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