1-1.長期投資の基礎知識

米国株S&P500やVTIはあなたが思っているほど儲からない

切り取る期間によって違いはあれど、S&P500の平均リターンは7%や8%、本当に都合の良い部分を切り取って10%超え!という希望に満ちた数値が飛び回っていますね。

そんな情報をきっかけに米国株投資を検討している方も多いと思います。

投資を始める時にこんなシミュレーションをしたことないですか?

利回り7.5%のS&P500に〇万円を〇年積み立てたら〇〇万円かぁ

将来どれくらい資産が増えるのかを調べるために簡易シミュレータはよく使いますよね。

しかし、

ちょっと待ったぁぁあ!

目安として考えるならこのシミュレーションが悪いとは思いませんが、ネットで踊っている高いリターンでそのまま計算すると、あなたの思いど通りにはならないので注意が必要です。

ということで、今回はS&P500のチャートを使って、様々な要因によってあなたが思っている理想リターンがどんどん目減りしていく様子をご紹介したいと思います。

なんて意地の悪い企画なんだ。。

夢や希望が裏切られる前に、資産価値の変動には色々な要因が複雑に絡み合っていることを知っておきましょう。

この記事を読んで分かること

  • よく見るS&P500チャートはインフレを考慮しないドル建てチャートである
  • リターンはインフレ・為替などにより複雑に変化する
  • 資産は簡易シミュレータのようには増えていかない

この記事を読んでほしい人

  • ネットに出ているリターンで簡易計算をしている方
  • S&P500やVTIに投資していれば10年で2倍くらいになると思っている方
でもネットに載っているS&P500やVTIのチャートは本物で7%以上の伸びは事実でしょ?
なんでその通りにならないの?

それは考慮されていない項目が多いからです。

先ほども言った通り、資産価値の変動には色々な要因が複雑に絡み合っています。

今回はその中でも

  1. インフレ
  2. 為替
  3. 積み立て
  4. 値動き

の4点がどのような影響を及ぼすのか見ていきましょう。

それではシミュレーション条件です。

シミュレーション条件

1998年1月~2019年12月までのS&P500チャートを使用します。

  1. MacroTrendsで購入したS&P500(米国株)チャートの名目値と実質値を使用
  2. ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
  3. 配当・手数料・税金などは考慮しません

※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)

インフレは資産を目減りさせる

こちらはネットでよく見るS&P500のチャートです。

S&P500の価格は1998年から22年で3倍以上に膨れ上がっています。
特に直近10年の伸びは凄まじく、米国株ブームの根源と言っても過言ではないでしょう。

しかし、これは実際に市場で取り引きされている価格に基づいた名目値で表されたグラフです。

これをMacroTrendsで入手した実質値(インフレなど物価変動を考慮した数値)に置き換えてみると・・。

えぇぇぇぇっ!

なんじゃこりゃ(;゚Д゚)

一気にリターンが目減りしてしまいましたね。

ただし、これは米国でのインフレを考慮した数値です。

でも日本ってインフレしてないんでしょ


出展:世界経済のネタ帳

確かに、日本は過去20年ではほとんどインフレしていませんね。

しかし、上記サイトのインフレ率を累計すると20年で約3%物価は上がっています。

それに、たった20年を切り取った期間がインフレしていないだけであって、それ以前は大きく物価が上昇した時期がありました。

現時点で日本がインフレしていく姿は想像できませんが、将来はだれにも分からないので日本であってもインフレは想定しておくべきだと思っています。

 

想像以上に大きい為替の影響

こちらは先ほどのインフレ調整後のS&P500のチャートです。

インフレによって随分寂しいグラフになってしまいましたが、これはまだまだ序の口です。

え、まだあるの?

はい、まだまだあります。

ここまでに出てきたグラフは全てドル建てで為替の影響を考慮していません。

日本で生活している以上、積立資産の売却であろうと株式からの配当であろうと、必ず日本円に変換する必要があるわけですが、この変換係数である「日本円の価値」がとっても厄介なんですね。

これを為替リスクと呼びます。

この為替の影響を考慮したグラフがこちらです。

ま、マジですか・・。
円建てグラフが常にドル建ての下で推移してる

直近20年で見ると株価暴落後に円高になる傾向があり、円建てだと株価回復期にせず本国のチャートと比べると劣後して推移しています。

こちらは期間中のドルの最高・平均・最低価格と変動比を現したものです。

こう見ると±30%も変動してるのね(;゚Д゚)

円相場が±30%変動するということは、資産の価値も±30%で変動するということを意味します。

為替が資産に与える影響はすさまじく大きいのです。

↓為替が米国株に与える影響について詳細はこちら↓

為替リスク|日本円は米国株をハイリスク・ハイリターンに変貌させるS&P500の過去20年分のチャートを使用してドル建て・円建てのリターン・リスクにどれくらい差が出るのか調べてみました。その結果米国株は日本円に換算するとドル建てよりハイリスク・ハイリターンとなることが分かりました。...

 

一括投資か積立投資かでリターンは異なる

こちらは先ほどのインフレ調整後の円建てS&P500のチャートです。

最初と随分形が変わってしまったね。
結果的にS&P500に20年投資すると資産が1.7倍に増えるってことだね

これは株価の伸びなので1.7倍になるのは一括投資した場合です。

一括投資ではなく積立投資だと資産推移はまた変わってきます。

こちらは一括投資・積立投資した場合のそれぞれの資産額推移です。

米国経済は長期で見ると右肩上がりなので、基本的には最初に一括投資した方がハイリターンですが、今回のシミュレーションでは積立投資が上回りました。
※毎回積立投資が一括投資を上回るわけではないのでご注意ください。

このように、一括投資か積立投資かによってもリターンは変わってくるのです。

 

資産は直線的には増えない

こちらはインフレ調整後の円建てS&P500に毎月1万円を積み立てた場合の資産額推移です。

1998年から1万円を22年積み立てると、元本264万円は1.87倍の493万円まで増加します。

今回のシミュレーションではS&P500の平均リターンは5.2%でした。

もうないよね?
平均5.2%でファイナルアンサー?

はい、ファイナルアンサーです。

だがしかし、

平均と実際の値動きは大きく異なります。

こちらは今回のシミュレーション結果に、同じリターンで定率増加するグラフを重ねがものです。

ご覧の通り、平均リターンは5.2%ですが、実際の値動きは殆どの期間で定率増加を下回っています。

https://twitter.com/instockexnet/status/1212650201996873733

この20年の間にも歴史的大暴落や、技術革新などによる暴騰など様々な出来事が発生しています。

それらの出来事にインフレ・為替などが複雑に絡み合い、結果的に平均5.2%なのです。

簡易シミュレータのように毎年5.2%ずつ増えると思い込むと理想と現実の差に心折られる可能性があるので注意しましょう。

 

まとめ|2019年の米国株が絶好調だったということは

要点まとめ
  • よく見るS&P500チャートはインフレを考慮しないドル建てチャートである
  • リターンはインフレ・為替などにより複雑に変化する
  • 資産は簡易シミュレータのように直線的には増えていかない
  • 米国株S&P500はあなたが思っているほど儲からない

こちらは2019年末時点での僕が運用している楽天VTIです。

皆さんご存知の通り、2019年の米国株は絶好調で、僕の楽天VTIも約17%増と大きく増えてくれています。

↓S&P500とVTIの違いはこちら↓

米国株頂上決戦!楽天VTIはS&P500より暴落に強い!米国株インデックスを二分するVTI、S&P500。両者の違いは暴落時の動きにあります。過去チャートを使用しシミュレーションして結果、楽天VTIの方が暴落に強いという結論が導き出されます。...

現在ネット上では+1〇%!のような朗報で溢れており、その情報をきっかけに米国株投資を検討している方も多いハズです。

しかし、今回のシミュレーションでは過去22年間の平均リターンは5.2%です。

17%の実績は、2020年の1年で-10%となったとしてもまだ平均の5.2%を上回るんです。

今後も順調に資産が増えていかないことは明白ですよね。

近い将来、大暴落が起きる可能性だってあります。

米国株ケーススタディ|45歳で大暴落に巻き込まれたらどうなる?ケーススタディと題して45歳・資産1,500万円の時点でITバブル→バブル崩壊に巻き込まれた場合の資産額推移を試算しました。フルインベストでガンガン積み上げている方も、年齢や資産額の上昇に合わせてリスクコントロールは必須です。これを機に10年後の暴落について考えてみてはいかがでしょうか?...

今回のシミュレーションはインフレを考慮しているので、シミュレーション通りに行った場合の額面はもっと多いと思いますが、現在の価値に換算すると20年で10~15%くらいは価値が目減りすると思っています。

また、今回は配当やそれにかかる税金、手数料などは一切考慮していません。
これらも計算することでリターンもまた変わってくるでしょう。

ただ、一つだけ確実に言えることは

みんなが大好きなS&P500やVTIはあなたが思っているほど儲からないし、毎年7%とか8%で直線的に増えていくわけではない。

このことだけは知っておきましょう。

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通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかるので、今回のシミュレーション結果からリターンはさらに目減りします。

しかし、このつみたてNISAなら利益にかかる税金が非課税となる超お得な制度なのです。

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