あなたは楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)派ですか?
それとも、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)派ですか?
はたまた鮮烈デビューで世間を賑わせたSBI・バンガードS&P500派ですか?
結局どっちが優秀なの?
天下を二分する米国株式インデックス、いったいどっちが最強なのか?
ならば決めねばなるまい!
どちらが最強なのかを!!
ということで、今回は楽天VTIとS&P500のそれぞれの違いと過去20年の利回りを比較してみました。
この記事を読んでわかること
- 楽天VTIとS&P500の違い
- 楽天VTIとS&P500のリターン・リスク比較
- 長期だと楽天VTIの方がハイリターン
- 楽天VTIの方が暴落に強い理由
この記事を読んでほしい人
- S&P500が世界で最強だと思っている人
- VTIとS&P500、どちらに投資しようか迷っている人
「どちらが優秀か?」という問いがあれば「どちらも超優秀です」が答えになります。
近年のリターンはほぼ互角で素晴らしい実績を残しています。
どちらも最強クラスの優良商品です。
僕は楽天VTI派ですが、S&P500派の方も沢山いますし、どちらかをメインに投資をしても、明るい将来をつかみ取れると思っています。
ただ、暴落を含む長期のチャートで比べると、楽天VTIが有利になるんです。
VTIとS&P500の違いを見ながら掘り下げていきましょう。
目次:ジャンプできます
まずはVTI・S&P500の違いを整理
という方のために簡単に違いをまとめてみました。
よく聞くS&P500とは銘柄の名前ではなく米国500銘柄で構成される株式指標のことを言います。テレビでよく見る「日経平均」や「NYダウ平均」等と同じようなものです。
対してVTIは「CRSP USトータル」と呼ばれる株式指標に連動する銘柄のことを言い、投資信託版の楽天VTIとETF版のVTIの2種類があります。
これらの指標に連動するように作られた銘柄をザックリまとめると下図になります。

S&P500やVTIって一つだけでなく色んな銘柄があるんですよ!
VTIは全米の銘柄、S&P500は米国大型500銘柄に投資する

VTIとS&P500の大きな違いは投資先の銘柄数です。
楽天VTIは小型株を含む米国株全域約3500社が投資対象で、米国経済そのものに投資をするような商品なのに対し、S&P500は大型株のみ500銘柄が対象で、米国のエース企業500社に集中投資する商品なんです。
ちなみにS&P500の500銘柄だけで米国株時価総額の約8割を占めており、残りの小型株2割が入っているかどうかが直接的な違いとなります。
エースの500社がいかにずば抜けているかが分かりますね!
楽天VTIは米国VTIを買い付けて小分け販売する商品
僕が購入している楽天VTIは、バンガード社が運用する株式指標「CRSP USトータル」に連動させたインデックスファンド「VTI」を買い付ける投資信託です。
簡単に言うと、楽天VTIは米国株を直接やりくりして運用しているのではなく、米国のVTIというETFを買い付けて小分けにして売ってくれる商品です。

違いを超大雑把に説明すると、本家VTI(ETF)がホールケーキで楽天・全米株式インデックス・ファンド(投資信託)はショートケーキです。
本家VTI(ETF)は基本的にホール単位のみの販売で2019年12月時点で17,000円くらいしますが、楽天VTI(投資信託)はそれを100円以上なら好きなサイズのショートケーキに切り分けてくれます。
※切り分ける手間分、ETFより手数料が高いです。
使っている材料は同じなので、同じ味(リターン)を味わうことができるんです。
ちなみに、SBI・S&P500も楽天VTIと同様にS&P500に連動するVOOというETFを買い付けて小分けで販売する商品です。
↓VTIと楽天VTIの違いはちら↓

投資信託は「円建て」なので要注意

日本で米国株投資している人にとって、避けては通れないリスクがあるとことをご存知ですか?
それは為替リスクです。
ブログなどでよく見るS&P500のチャートはドル建てのものが多く、実際に円建てに換算した時は、下のグラフのようにドル建てとは異なる値動きをしていて、この値動きの差を為替リスクと言います。
「S&P500 チャート」等とGoogleで検索して出てくるチャートは基本的にドル建てで、円建ての値動きとは違うので要注意です。
↓為替の影響について詳細はこちら↓

楽天VTIの方が暴落に強い理由

こちらは直近5年のVTIとS&P500の基準価格(円建て)の伸びを比較したグラフです。
見ていただくとほとんど差はありませんが、わずかにS&P500がリードしています。
ムフフ、甘いな
暴落後の伸びはVTIが勝る
過去5年ではS&P500が若干リードしていますが、もっと長期で見てみましょう。

これに大暴落の発生タイミングを加えてみると

ご覧の通り、ITバブル崩壊・リーマンショックと歴史的大暴落の後にVTIがS&P500を引き離しているのが見て取れると思います。
それには先ほどご紹介したVTIとS&P500の投資先の違いに答えが隠れています。

S&P500は暴落すると500銘柄が入れ替わりますが、楽天VTIに入れ替わりはありません。
暴落によってS&P500から脱落してしまった企業がその後盛り返した場合、S&P500はその恩恵を受けられませんが、全米をカバーする楽天VTIは恩恵を受けることができるのです!
S&P500では年間20銘柄程度が入れ替わっています。こういった特徴から急成長する小型・中型株をなかなか取り込むことができないんですね。
下からのし上がってくる企業の成長の恩恵を全て受けられるのが楽天VTI最大の強みなのです。
Twitterのやり取りでも入れ替えは株価に影響を与えるというご意見をいただきました。
長期投資家にとって誤差の範囲ですが銘柄入れ替えは短期筋に狙われて下ズレ要因になります
そういう意味でも長期ではVTI有利かもしれません
日経平均の銘柄入れ替えで大きく下ズレした記事を山崎元さんが過去に書いてました
指数が違いますが参考になると思います↓↓↓https://t.co/GRMWoQhRkO https://t.co/j8ieLduqms
— パパ五郎@親バカ投資家 (@papagoro0705) November 1, 2019
インデックスの構成銘柄はあまり変わらないほうがいいんですよ。
銘柄入れ替えに寄るブレが減りますから。— おせちーず@ゆるい日々 (@osechies) November 1, 2019
そして、多くの米国株投資家が師と仰ぐシーゲル教授も著書「株式投資の未来」で、入れ替えがない方がリターンが大きいことに触れています。
S&P500の当初採用銘柄のリターンは、更新を繰り返す実際のS&P500リターンを上回り、しかもリスクが低い。
ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来」より
株式投資の未来では「成長の罠」と題して、急成長を続ける企業を取り込み続けることが必ずしもハイリターンに繋がるわけではないと解説されています。
この「株式投資の未来」を読むとS&P500に投資することが本当に効率的なのかを考えさせられます。(まぁ実際は個人で運用してもS&P500には勝てないんですがw)
ポイントをまとめると
- 長期で見るとVTIの方がS&P500より価格の伸びが大きい
- 暴落をきっかけに差が出ている
- S&P500の入れ替えが影響している
両者に毎月1万円積み立てるとどうなる?
だったら楽天VTIの方が儲かるハズだよね?
ということで、恒例の積立シミュレーションをしてみました。
VTIが設定された2001年から毎月1万円積み立てた場合のリターンとリスクを比較
- 円建てのVTI・S&P500で計算
- それぞれに楽天VTIの信託報酬、SBI・S&P500の信託報酬を差し引く
- S&P500はMacroTrendsで購入したチャートを使用
- VTIはTradingViewのチャートを使用
- 配当・税金などは考慮しません
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
積み立てるとリターンにほとんど差はない

約19年、両者に1万円を積み立てた結果
- 楽天VTI:476万円
- SBI・S&P500:470万円
手数料に差はありますが、19年で4万円の差は誤差と言っていいでしょう。
年平均リターンとリスクを算出してみると

こちらも大差はありません。
楽天VTIの方が若干ハイリスク・ハイリターンですね。
↓リスクの読み方がよく分からない方はこちら↓

両者は元々投資先を8割も共有していますし、ドルコスト平均法で一定額を積んでいく積立投資は、株価の低い時期が長い方が有利になることもあります。
今回のシミュレーションでは、長所と短所が打ち消し合ってほぼ同じ実績になったと考えられます。
株価の伸びはVTIが上ですが、実際に積み立てで投資をしてみると楽天VTIもSBI・S&P500もリターンに大きな差がないことが分かりました。
↓ドルコスト平均法について詳細はこちら↓

手数料の高さは楽天VTIの弱点

こちらは19年間で支払う信託報酬の累計額です。
発売して間もないSBI・S&P500はまだ実質コストが分からないので今回のシミュレーションには考慮していません。
実際に払うコストはもう少し多いハズです。
積立投資によって資産が雪だるま式に増えるように、手数料も同じように積みあがっていき、上図のように投資期間の後半に手数料が重くのしかかって来ることがわかります。
複利のパワーが働くのは資産だけではないんですね。
手数料は積立投資において非常に重要な要素です。
実際に手数料でSBI・S&P500に大きく溝をあけられたことによって楽天VTIは一気に日陰に追いやられたように感じます。
投資家のためにもこの手数料は是非改善してもらいたいと思っています。
↓手数料が資産に与える影響はこちら↓

まとめ|暴落に強かったのは楽天VTIだけど、好きな方を買ったらええんやで
- VTIは全米約3500社に分散投資できる
- S&P500は米国大企業500社に分散投資でき銘柄の入れ替えがある
- 長期で見るとVTIの方が株価の伸び率は上
- 積立投資をするとリターンに大差はない
⇒どっちも優秀だっから好きな方を買おう!
ブログやTwitterを見ているとS&P500派の方の方が多いですが、僕は入れ替えがなく、誤差の範囲でもS&P500を上回る理由で楽天VTIに投資しています。
しかし、両者とも素晴らしい銘柄であることは疑いようがなく、対決を煽っておいてなんですが、結局のところ自分のフィーリングに合う方に投資したら良いと思います。
2019年のVTI・S&P500は絶好調だった

2019年は景気後退すると散々言われてきましたが、結果的にほぼ右肩上がりに推移しました。
おかげさまで、僕の楽天VTIも利回り16.99%、含み益も13万円を超えました。
ただし、平均リターンを考えると今後は暴落など調子の悪い年もあるハズです。
積立投資において、今の含み益に一喜一憂するこに意味はありませんが、僕も感情のある人間ですし、これだけ利益がてくれるとやっぱり気分も上がります。
これから米国株インデックスをお考えの方は、楽天VTIやeMAXIS Slim(S&P500)やSBI・バンガード・S&P500も検討してみてはいいかがでしょうか?
僕は楽天VTIを信じて積み続けます!
楽天VTI・S&P500を始めるなら「つみたてNISA」
今回紹介しました楽天VTIとS&P500で投資を始めるなら「つみたてNISA」が超絶おすすめです。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかるのですが、このつみたてNISAなら利益にかかる税金が非課税となる超お得な制度なのです。
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