米国株インデックスS&P500のリターンシミュレーションをやっているサイトは星の数ほどありますが、インフレを考慮したサイトはそうあるまい!
しかし!
あるんですよ、ここに。
米国株インデックスS&P500のインフレ積み立てシミュレーションをするサイトが!笑
実は今年の始めにも、一度インフレを考慮したシミュレーションをしたことがあるんです。
このグラフがこちらです。
ただ、これは米国のインフレ率で作ったものだったので
なんてご指摘を多数いただきました(;^_^A
うぅ、悔しいぜ。。
ということで皆さんの期待に応えるべく、今回は日本のインフレ率を考慮した米国株インデックスS&P500の積み立てシミュレーションをやってみました。
将来のインフレ率はどうなるかわからないので、ついでにインフレ率0.5%刻みで資産がどう変動するかも計算しています。
是非ご覧ください(^^)
この記事を読んでわかること
- 日米の過去30年のインフレ率
- インフレが資産に及ぼす影響
この記事を読んでほしい人
- インフレを考慮せずに将来の目標を立てているそこのあなた!
目次:ジャンプできます
インフレは資産を目減りさせる
物の価値が上昇することをインフレーション・インフレと言いますよね。
これは言い換えるとお金の価値が下がることを意味しています。
こちらはシーゲル教授の書籍”株式投資”に載っている資産別の実質トータルリターンです。
米国のグラフですが、現金(ドル)はインフレによって200年で94%も価値が下がっています。
このインフレがあなたの将来の資産価値をどんどん目減りさせていくんです。
こちらはインフレ率別の30年後の資産価値を表にしたものです。
もしこれから30年のインフレ率が1%だった場合、30年後の3,000万円は現在の価値に換算すると2,205万円と約3割価値が目減りするんです。
後ほど紹介しますが、日本でもインフレは進んでいます。
もし、日本政府がMMT理論に則りガンガン財政出動をやるような未来が来たらインフレは一気に進むかもしれません。
インフレは普段の生活では感じにくく、ある日に昔を振り返ると進んでいると感じるものですが、あなたの資産価値を目減りさせるインフレは投資するうえで考慮しておいた方が良いでしょう。
日本と米国のインフレ率
こちらは1990年~2020年10月までの日本のインフレ率を表にしたものです。
1990年代前半はインフレ率3%を超える年もありましたが、その後は停滞気味で平均すると0.45%でした。
今の1万円を1990年の価値に換算すると8,699円と約13%価値が減衰しています。
次に米国のインフレ率です。
米国の直近30年の平均インフレ率は2.41%でした。
この2.41%の威力は凄まじく、30年で資産価値は半分に減衰します。
資産運用で2.4%のリターンを出してチャラ、5%でも実質リターンは2.6%です。
米国では「老後に2,000万円必要と言われ頑張って貯めたら、その時には950万円の価値しかなかった」ということがこの30年で実際に起きています。
日本では考えられない感覚ですよね。
おそらく米国人は、資産運用をしないと自分の資産がどんどん目減りするという感覚が身についているんじゃないかと思います。
日本と米国の投資に対する意識の差もこのあたりが要因の一つかもしれません。
インフレ率別・円建てS&P500積立シミュレーション
1990年1月~2020年11月のS&P500チャートを使用し、インフレ率0.5~3%でシミュレーションしました。
- S&P500はMacroTrendsでダウンロードしたものを円建てに変換
- 月に一度しか価格を拾わない月次チャートを使用しています
- インフレ率は定率で変動しないこととする
- 投資信託とし、分配率1.8%、信託報酬0.2%で計算しています。
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
円建てS&P500チャートをインフレ率0.5%刻みで成長率・価値の減衰率を算出したものです。
日本のインフレ率に近い0.5%で約14%、米国のインフレ率に近い2.5%だと約54%価値が減衰しています。
3.0%はもはやS&P500のチャートとは思えないですね(;^_^A
積み立て額別の資産価値早見表
それではこのチャートで積み立ててみましょう。
その結果がこちらの表です。。
イメージが湧きやすいように積み立て額別に表にしました♪
【表の見方】
5万円積み立ててでインフレ率1.0%の場合
- 30年後の額面:8,699万円
- 30年後の資産価値:6,393万円
できれば今後も0.5%程度に収まってほしい。。
乱数計算で算出した中央値でもやってみた
以前、ほぼ同じ条件で積立シミュレーションを乱数計算で行いました。
ツールを使用し3,000回の計算を行うと、実際の円建てS&P500で積み立てた実績は上位30%に入る成績ということがわかりました。
↓詳しくはこちら↓
※こちらの記事は日次チャートを使用しているので結果が若干ことなります。
ということで、乱数計算で導き出した中央値を使用し、同様にシミュレーションしてみました。
僕は65歳までに最低3,000万円の積み立て資産を作ることを目標としていますが、こうやって見ると今の価値で3,000万円の資産を作ることはインフレ率によっては難易度が上がりそうですね。
まとめ|最低でも今のインフレ率は想定しておいた方が良い
- 日本の過去30年の平均インフレ率は0.45%
- 0.45%のインフレで30年後の資産価値は約13%目減りする
- 米国の過去30年の平均インフレ率は2.41%
- 2.41%のインフレで30年後の資産価値は約半分に目減りする
今回のシミュレーションで、インフレ率によっては老後資金は思ったような価値がないかもしれないということがわかりました。
正直なところ、僕は日本で生活していてインフレというものをほとんど感じたことはないので、将来の資産価値が目減りすというイメージが付きません。
しかし、感じないながらもジワジワとインフレが進んでいるのも事実です。
イメージは湧きませんが、今の経済状況がこのまま続いたとしても30年後は頑張って積み立てた資産の価値が1割以上目減するということは想定して資産形成に励みたいと思います。
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