2020年2月、久々に株価が大きく下落しましたね。
余力のある方は、そろそろ追加投資を検討している頃だと思います。
追加投資の悩み
- どれくらい下落で行うのが効率的なのか
- 1回でどれくらいの金額を追加投資したらいいのか
このように追加投資を検討していてもタイミングに悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
ということで、今回は米国株(S&P500)における2つの歴史的大暴落(ITバブル崩壊とリーマンショック)のチャートを使用し、追加投資のタイミングについて検証してみました。
↓ITバブル崩壊・リーマンショックについて詳細はこちら↓
この記事を読んでわかること
- 米国株(S&P500)が暴落した際の追加投資のタイミング別・金額別のリターン比較
この記事を読んでほしい人
- 追加投資をしたいけどタイミングや金額に悩んでいる方
先に結果を言いますと、今回のシミュレーションでは
- X%下落するごとに余力をX%で等分した金額を追加投資する
- ”X=5以上10”以下(余力の1割以下)が望ましい
という結論に至りました。
例えると
- 5%下落するごとに余力を5%で等分した金額を追加投資する
- 10%下落するごとに余力を10%で等分した金額を追加投資する
というイメージです。
ただし、複雑に変動する相場の中で効率的に追加投資を行うことは難しいとい言葉を付け加えておきます。
追加投資はリスク許容度の範囲内といえど必ず感情が邪魔をします。
また、追加投資できる資金は有限です。
一度に多く追加投資すると底値前に余力が尽きるし、少ないと持て余したまま暴落が終了してしまいます。
ルールを決めてそれを徹底的に守ることが大切だなと今回シミュレーションしてみて感じました。
目次:ジャンプできます
慌てない|大暴落と言えど底値まで時間がかかる
こちらはリーマンショック時の米国株チャートですが、歴史的なリーマンショックと言えど、数日値で底値になるわけではなく、実際には約半年かかっています。
2000年のITバブル崩壊だとさらに長く底値まで約2年。
下落してすぐに大きな金額を追加投資すると、本当に底値となった時に追加投資する余力が残らない可能性があるんです。
一時的な下落でも追加投資をすることは有効ですが、現段階ではまだ暴落の入り口である可能性がありますので、焦らず計画的に追加投資をすることが大切です。
追加投資シミュレーションの条件
最初にも触れましたが、複雑に変動する相場の中で効率的に追加投資を行うことはかなり難しいです。
今回はITバブル崩壊・リーマンショックと2つの暴落で検証しましたが、どちらも株価下落の動きが全然違うため、万能な追加投資ルールというものは存在しないと感じました。
一括投資は無理なので分散して追加投資する
的なツイートをたまに見ますが、暴落の渦中の中で底値を見極めることは不可能なので今回は分散して追加投資を行います。
なので今回は、大暴落で想定される底値を50%とし、余力100万円を等分して追加投資する方法でシミュレーションを行いました。
今回も円建てでシミュレーション
当ブログではお馴染みとなりましたが、こちらはITバブル崩壊・リーマンショック時のS&P500チャートをドル建て・円建てを比べたグラフです。
ITバブル崩壊やリーマンショック級の歴史的大暴落に巻き込まれた場合、米国株投資をしている方は本国のアメリカ人以上に辛い思いをすることになるんです。
特にリーマンショック時は円建ての方が深く・長く低迷するのでドル建てとは追加投資のタイミングも変わってきます。
日本で生活し消費する限り必ず日本円への変換が必要となりますので、今回も円建てでシミュレーションを行っています。
↓米国株の為替リスクについてはこちら↓
シミュレーション条件
追加投資の余力は100万円とし、最高値から5%・10%下落する度に追加投資を実行し、株価が戻った時の含み益を比較しました。
追加投資は下落時のみとし、上昇時は行いません。
- MacroTrendsで購入したS&P500(米国株)チャートを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 配当・税金・インフレなどは考慮しません
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
最高値から5%下落する度に追加投資
最高値から5%下落する度に追加投資する場合、追加投資のタイミングはITバブル崩壊が22回、リーマンショックは19回となります。
それではシミュレーション結果を見てみましょう。
追加投資金額10万円(余力の10%)だと底値前に枯渇
追加投資金額を10万円(余力の10%)だと、前半の乱高下で余力を使い切ってしまい、ITバブル崩壊・リーマンショック共に底値の前で資金が枯渇するという結果になりました。
5%下落する度に10万円追加投資した場合の含み益
- ITバブル崩壊:16.5万円
- リーマンショック:48.8万円
追加投資金額5万円(余力の5%)だと成績が向上
10万円では底値に辿り着けなかったので、今度は半分の5万円で計算してみました。
追加投資資金を5万円にすることで、底値を超えても余力が残るので、先ほどより効率的に追加投資ができました。
ただし、リーマンショックでは追加投資のタイミングが19回しかないため余力100万円を使い切れず5万円残ってしまいます。
5%下落する度に5万円追加投資した場合の含み益
- ITバブル崩壊:30.8万円
- リーマンショック:70.6万円
確かにパフォーマンスはかなり向上しましたが、5万円の場合は底値を超えた後の上昇相場でも追加投資の必要なので、難易度はグッと上がります。
「どんな状況でも5%下落する度に追加投資」というルールを徹底しないとパフォーマンスは向上しないので要注意です。
5%下落する度に追加投資のまとめ
ITバブル崩壊・リーマンショック双方の含み益を合計してみると
- 追加投資10万円:65万円
- 追加投資5万円:101万円
今回の条件では、最高値から5%下落する度に追加投資する場合、余力10万円(10分割だ)と暴落前に資金が枯渇するため5万円(20分割)の方が効率的という結果となりました。
最高値から10%下落する度に追加投資
今後は下落幅を5%から10%に広げて見てみましょう。
最高値から10%下落する度に追加投資する場合、追加投資のタイミングはITバブル崩壊が11回、リーマンショックは10回でした。
当然ですが、下落幅を倍にすると追加投資のチャンスは半分になりますね。
それではシミュレーション結果を見てみましょう。
追加投資金額20万円(余力の20%)だと底値前に枯渇
追加投資の機会が半分になったので、まずは追加投資資金を倍にして調べてみました。
追加投資金額を20万円(余力の20%)だと、先ほどと5%下落で10万円の時と同様に底値の前で資金が枯渇してしまいました。
10%下落する度に20万円追加投資した場合の含み益
- ITバブル崩壊:18.2万円
- リーマンショック:79.5万円
追加投資金額10万円(余力の10%)だと成績が向上
20万円では底値に辿り着けなかったので、今度も半分の10万円で計算してみました。
追加投資資金を10万円に下げると、底値を超えても余力が残るので、20万円の時より効率的に追加投資ができました。
10%下落する度に10万円追加投資した場合の含み益
- ITバブル崩壊:29.2万円
- リーマンショック:93.0万円
下落幅10%でも追加投資金額を引き下げることでパフォーマンスはかなり向上しました。
しいかし、こちらも底値を超えた後の上昇相場でも追加投資をしないと余力を使い切れないので、難易度は高めです。
10%下落する度に追加投資のまとめ
ITバブル崩壊・リーマンショック双方の含み益を合計してみると
- 追加投資20万円:97.8万円
- 追加投資10万円:122.1万円
今回の条件では、最高値から10%下落する度に追加投資する場合、余力20万円(5分割だ)と暴落前に資金が枯渇するため10万円(10分割)の方が効率的という結果となりました。
まとめ
- 追加投資金額が大きいと底値前に枯渇し効率的ではない
- 追加投資金額が小さいと上昇相場での追加投資必要となり難易度が上がる
- 今回のシミュレーションでは5%下落より10%下落で追加投資が有利
確かに今回は下落幅10%の方が優秀でしたが、10%の下落ってかなり大きいんです。
2020年2月29日時点、株価下落により追加投資のツイートが多くなってきましたが、これでも現時点ではまだ追加投資条件の10%に達していません。
しかも上がったり下がったりしながら下落するので、下落幅を大きく取ると感情のコントロールが難しいことが予想されます。
相場の下落時はいかに自分のストレスを軽減させるかということも重要なので、ストレスを抱えながら待つくらいなら追加投資してしまうのも有効だと考えます。
これらを鑑み、結論を導き出すと、
- X%下落するごとに余力をX%で等分した金額を追加投資する
- ”X=5以上10”以下(余力の1割以下)が望ましい
そしてルールを決めたらそれを徹底的に守ることが大切。
下落の感じ方は人それぞれなので、今回のシミュレーションを参考に自分に合った追加投資ルールを探してみましょう。
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