これからつみたてNISAなどの積立投資を始めるにあたり、運用中にかかるランニングコスト(信託報酬)は銘柄選びでも重要な指標です。
↓信託報酬とその重要性はこちら↓
でも実は投資信託で資産運用するには信託報酬以外の費用が掛かることを知っていますか?
実は知られざる隠されたコストが存在するんです。
ということで、今回は信託報酬にかかる隠れコストとその費用が資産に与える影響を調べてみたのでご紹介します。
この記事を読んで分かること
- 投資信託のランニングコストは信託報酬だけではない
- 実際に払う隠れコストの金額(目安)
- 隠れコストが資産運用に与える影響
この記事を読んでほしい人
- 今年からつみたてNISA等の投資を始めた人
- 投資信託のランニングコストが信託報酬だけだと思っている人
- 隠れコストが資産に与える影響を知りたい人
先に結論を言ってしまうと、隠れコストが資産に与える影響はそんなに大きくありません。多少の差なら気にする必要はないでしょう。
しかし、僕は隠れコスト・実質コストって名前が気に入らない!
投資信託を購入するときに信託報酬以外にも費用が掛かるということは分かりやすい場所に必ず明記するべきだと思っています。
最初に存在を知った時はホントに詐欺じゃないかと思いました。
だって消費者に存在を知らせずに販売するって現代ではあり得なくないですか?
はい、激おこぷんぷんです。(今更だけどw)
しかしどんなに怒っても支払う費用は変わらないので、ここからは隠れコストとその調べ方、資産に与える影響について解説していきたいと思います。
目次:ジャンプできます
実質コスト・隠れコストとは
投資信託にかかる費用には、購入手数料や信託報酬とは別に表に出てこない費用が存在し、「隠れコスト」と呼ばれています。これらの手数料を全て合算したものを「実質コスト」を読んでいます。
隠れコストは運用会社が金融商品を買い付ける際の手数料や資金・資産の移動にかかる費用などが該当します。
こちらは楽天証券の商品ページです。
費用については0.1023%と記載がありますが、実は隠れているコストがあり、このページでは一切触れられていないんです。
これっておかしいと思いませんか?
なお、実質コストと隠れコストはどちらも正式な呼び名ではないため、サイトによって呼び方が異なることがあります。
隠れコストについてまとめると
- 信託報酬とは別に商品ページには表示されない「隠れコスト」が存在する
- 信託報酬と隠れコストを足したものが「実質コスト」
- 実質コストは運用報告書で確認できる
- 販売されて1年未満の投資信託の実質コストは分からない
この実質コストは信託報酬とは別に、こっそりあなたの資産から毎日差し引かれています。
知らなかった・・・
しかも、投資信託の商品実績にある「実績報告書」を読まなければ把握することが難しく、信託報酬より高額な場合もあるので注意しましょう。
実質コストは運用報告書で確認できる
こちらはeMAXIS Slim先進国株式インデックスと呼ばれる投資信託の運用報告書です。
一万口あたりの費用明細で「信託報酬」・「隠れコスト」とその合計の「実質コスト」を確認することができます。
今回の場合は
- 信託報酬:0.117%
- 隠れコスト:0.076%
- 実質コスト(合計):0.193%
ということが分かりますね。
ただし、右上の期間が1年未満であることがあるので、その場合は1年分に換算する必要がありますのご注意ください。
販売されて1年未満の投資信託は、決算を迎えておらず運用実績が分からないので、実質コストも知ることができません。
これを明示しないってありえないでしょ!!
ETFを買い付けるタイプの投資信託は別途費用が発生する
有名どころで言うと、
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
ETFを買い付けて運用するタイプの銘柄は、それぞれのETFの信託報酬が別途かかります。
実質コストは過去にかかった費用
運用報告書に記載されている実質コストは、過去の実績であり、これからかかる費用ではありません。
上の表で言うと、2019年4月までの実績なので消費税は10%ではなく8%です。
また、運用コストは毎年異なるので、実質コストも毎年異なります。
運用報告書に乗っている実質コストもこれからかかる費用の目安であることは覚えておきましょう。
実は運用報告書でも分からないコストがある
なぜ容認さてれいるのか分からないのですが、運用報告書にも記載されていない費用があるんです。
かなり細かい金額のようで調べる術がないので、今回は割愛します。
隠れコストが資産に与える影響
みなさん気になりますよね!
計算してみましたよ♪
こちらは毎月1万円を20年積み立てた場合の投資信託にかかる隠れコストを利回り別に一覧表(目安)にしたものです。
表の読み取り方
- 隠れコストが0.1%で利回り4%の場合の20年で支払う隠れコスト総額は31,758円と読み取ります。
- 積立額が3万円の場合は×3、5万円の場合は×5してください。
- 簡易計算なので目安としてお考え下さい。
↓グラフにするとこんな感じです↓
20年積み立てで元本が240万円と考えると、隠れコスト0.1%くらいまでは影響はかなり少ないですね。
0.2%になるとちょっと気になってくるかなぁ。(僕の感覚だと)
いずれにしても、運用成績に深刻な影響を与えるわけではないことが分かります。
実際に積み立ててたらどうなるのかシミュレーション
それでは恒例のシミュレーションタイムです。
↓今回の条件はこちら↓
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)に毎月5万円、約19年積み立てた場合の隠れコストの影響度を検証
- 楽天VTIは設定から3年程しかたっていないので本家VTIを円建て変換して表現
- 本家VTIはYahoo!Financeのチャートを使用
- ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
- 信託報酬:0.162% 実質コスト:0.211%で計算
- 配当・税金・インフレなどは考慮しません
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
思ったほど差は出ない
こちらは年別の信託報酬と実質コストの比較です。
資産と同様に手数料も複利で増えるので、雪だるま式に増えていることが分かりますね。
シミュレーションの結果、19年で手数料の差額は約6.5万円の差でした。
期間中に毎月5万円を積み立てると元本が1,130万円なので、影響はかなり小さいですね。
運用成績は誤差の範囲
こちらは信託報酬・実質コストで運用成績を比べたグラフです。
ご覧のとおり、資産額で見ると差はほとんどありません。
総資産額2,700万円に対しコストの差は11.6万円ほどで、影響度は0.4%と誤差の範囲といえますね。
今回のシミュレーションでは、隠れコストが0.049%程度の場合は積立資産にはほとんど影響を与えないことが分かりました。
まとめ|影響は少ないが払っていることは知っておこう
- 投資信託の維持費は信託報酬だけではない
- ファンド紹介ページには記載されていない隠れコストが存在する
- 隠れコストは運用報告書で確認できる
- 実際に隠れコストが資産に与える影響は小さい
少しは怒りが収まったかい?
それとこれは話が別です。
例え少額であったとしても、かかる費用は告知するべき。
繰り返しになりますが、
実質コストは信託報酬とは別に毎日こっそり差し引かれています。
消費者に黙って毎日差し引くという泥棒まがいの状況は改善すべき点だと思っています。
怒りでまとめがまとまらない(笑)
最近つみたてNISAなどで投資信託による積立投資を始めた方は、信託報酬以外にも費用が掛かっているということを認識しておきましょう。
おまけ|銘柄ごとの実質コストを比較したい
という方のために、Twitterでもお世話になっているなまずんさんの記事をご紹介します。
この記事は
銘柄ごとの
- 損益率
- 信託報酬
- 実質コスト
- ベンチマーク
などが一目で分かるようにまとめられています!
僕はいつもこの記事で確認していますので、銘柄ごとに比較したい方はぜひご覧ください(^^)
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