これまで米国株インデックスS&P500の様々な検証をやってきましたが、
と、気になったので調べてみました♪
こちらは1927年からの米国株インデックスS&P500のチャートです。
経済成長とインフレによって40年前辺りからほぼ平らに見えますよね(;^_^A
80%以上暴落した世界大恐慌は目視できませんw
これではどの時代が好調だったのか分かりませんね。
こちらは先ほどのチャートを対数で表してみました。
過去の値動きは分かりやすくなりましたが、縦軸が均等でないのでこれでも比べることはできません。
と珍しいく名案が浮かんだので、1931年からの米国株インデックスS&P500チャートを30年単位に分割し並べることで、どの時代が一番調子が良かったのか調べてみました。
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米国株インデックスS&P500の特徴と歴史
先ずはS&P500について簡単におさらいしましょう。
【S&P500とは】
NY証券取引所やNSDAQ等に上場する米国大型株からS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が選定する500銘柄で構成された株式指数で、米国株時価総額の約8割を占めます。
銘柄の時価総額を指数化(時価総額加重平均)するため時価総額の大きな銘柄の影響を大きく受けます。
【S&P500の歴史】
- 1923年 S&P株式指数として算出開始
- 1926年 構成銘柄90社となる
- 1939年 1871年まで遡って指数を計算
- 1957年 500銘柄に拡大しS&P500と呼ばれるようになる
ちなみにS&P500は、時価総額ランキングの上位500社で構成されている訳ではありません。
例えば、テスラ(TSLA)は米国の時価総額ランキングで10位前後ですが、現在はS&P500に含まれていません。(2020年12月に組み込まれるようです)
また、S&P500はVTIなどの全米株式と違い、入れ替えがあるのも大きな特徴の一つです。
【S&P500は企業の入れ替えがある】
1957年~2006年の間、S&P500に追加された銘柄数は987で、年間20銘柄程度が入れ替わっています。
新規銘柄がS&P500時価総額に占める割合は平均5%程度です。こういった特徴から急成長する小型・中型株をなかなか取り込むことができません。 pic.twitter.com/yzoG1liNOh
— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) November 1, 2019
S&P500の年代別チャート比較
1931年~2020年のS&P500チャートを30年で区切って10年ごとに比較しました。
- S&P500はMacroTrendsでダウンロードしたものを使用
- 月に一度しか価格を拾わない月次チャートを使用しています
- インフレは考慮しない
- 平均リターンは幾何計算で算出
※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)
30年チャート比較
先ずはチャート比較です。
2000年はITバブルの絶頂から暴落した瞬間にチャートが終了するので、一番伸びが良い結果となりました。(ここから墜落するけど)
次いで、1991年~現在のチャートとなっていて、終盤に好調ターンが来ると成績がよく見えますね。
年代別のリターンとリスク
こちらは年代別のリターン・リスクを計算したものです。(幾何計算で算出しています)
平均リターンだけ見ると1991年~2020年のが一番良い結果となりました。
リスクは大差はありませんが2番目に高いので、90年の中では比較的ハイリスク・ハイリターンな30年だったと言えるかもしれません。
リターンをリスクで割って算出するシャープレシオ(投資効率)はチャートと同様に1971年~2000年が優秀です。(この後すぐ墜落するけど)
こうやってみると直近50年のリターンが安定して高いのも興味深い。
30年スパンで見ると、米国株インデックス投資は報われる可能性が高そうですね(^^)
20年区切りにするとバラつきが大きくなる
先ほどは30年スパンでしたが、もう少し短縮して20年スパンで計算してみました。
10年短くするとリターン・リスクともに一気にバラつきが大きくなります。
リターン・リスクが平均回帰するには30年くらい必要と思った方が良いのしれません。
今回は為替を考慮していない
過去50年は胸躍るようなリターンですが、今回は90年前のドル円データを拾えなかったので為替リスクを考慮していません。
こちらはS&P500約50年のドル建て・円建てチャート比較です。
超長期で見ると、円高が進み続けているので、円建てではドル建てより大きく劣後します。
これまでの50年と同様に今後も円高が進むのであれば、思うようなリターンを得られないかもしれません。
↓為替リスクについて詳細はこちら↓
まとめ|直近50年のリターンが安定して高い
- S&P500チャート90年の内、一番調子が良かったのは1971年~2000年
- ただし、ここから暴落する
- 直近50年のリターンが安定して高い
- 20年スパンにするとリターン・リスクのバラつきが大きくなる
一番調子が良かった時期を知ることには全く意味はありません(なんで調べた?笑)が、
- 直近50年のリターンが高い
- 平均回帰には30年くらいは必要
ということが見えてきたのは収穫でした。
僕もリスク資産の7割は米国株インデックスが占めていますが、健やかなるときも、病める時も淡々と積み立て続けると報われる可能性が高いと思い、少しホッとしました。
ただし、過去の実績は未来を保証するわけではありません。
もし、米国が衰退するような未来が来ると、これらの計算は全て狂ってしまうので悪しからず。
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