ネットで調べると必ず出てくるiDeCoの3大メリット
- 掛金が全額控除で節税できる!
- 運用中の利益は非課税!
- 受け取り時も控除制度があるので一定額まで非課税!
この3つを見て「あれ?」って思うところはありませんか?
③を読むと違和感を感じませんか?
なぜ自分で積み立てたお金なのに「受け取り時に非課税」という言葉が出てくるのでしょう?
iDeCoは投資信託で運用ができるので投資としてとらえる方が多いですが、iDeCoは積立投資ではなく年金の積立なんです。
現時点でiDeCoはかなりお得な制度ですが「年金」の性質を知らずに始めると、思わぬところで後悔してしまうかもしれません。
ということで今回は証券会社などのホームページにはほとんど掲載されていないiDeCoの特性について深掘りしていきます。
この記事を読んで分かること
- iDeCoは投資ではなく年金である
- iDeCoは始めると後戻りできない
- iDeCoは特徴のクセがすごく万人受けしない
- 後戻りできないので自分に合っているかしっかり検証することが大切
この記事を読んでほしい人
- iDeCoは節税・非課税でお得のだから今すぐ始めたい!と思っている方
【iDeCoのリスク】
掛金が全額所得控除で運用益は非課税ですが、受取り時は全額課税対象です。
結局、積立時の税金を老後に繰延してるだけで二重課税を回避する仕組みでしかありません。
現在は公的年金等控除・退職所得控除があるのでこの枠内では非課税ですが、僕らの受取り時に廃止されてたら… https://t.co/PwMKHXzjU6 pic.twitter.com/SF0V6fkLcA— ナザール@暴落お兄さん (@investor_Nazal) October 3, 2019
TwitterでiDeCoのリスクについて呟くと、驚くほどたくさんの反応をいただきました。
証券会社では「節税・非課税でお得」という言葉が大々的に宣伝されていますが、その裏に隠れているクセの強い特性についてはほとんど触れられていません。
証券会社では語られないiDeCoの特性
- 何があっても60歳まで解約できない
- 条件によっては節税の恩恵を受けられない
- 節税は二重課税を防ぐための仕組み
- 受け取り時は所得扱いなので全額課税
- 実は20年凍結されている税金がある
しかも、全部ネガティブなやつや・・・
隠れているクセはネガティブなものばかりですが、デメリットに見えてメリットとなるものもあり、総合するとiDeCoは万人受けはしないけど、現時点ではとてもお得な制度です。
ただし、iDeCoは一度始めると後戻りができないという特性を持っています。
この万人受けしないクセをしっかり理解し、自分に合っているのかを判断して始めましょう。
目次:ジャンプできます
何があっても60歳まで解約できない
先ほども言った後戻りできない理由は、一度始めると60歳まで解約することができないからです。
たとえ自己破産しても解約できませんし、離婚しても財産分割の対象にもなりません。
それほど中途解約には厳しい決まりになっています。
Twitterの反応でもここをデメリットと感じる方が多かったです。
これがあるからidecoはやりたくないんですよね
どんなに税制上のメリットがあっても、60歳まで解約ロックがかかるのは厳しいです
特に若い人はそもそもの収入も低いと思いますので、ますますやる必要はないと思います。まずは積立NISAをやるべき! https://t.co/KOKtgDKUHk
— ばなな@資産運用 (@BanananMoney) October 3, 2019
例外はあります。
iDeCoを途中解約できる例外
- 60歳までに死亡した場合遺族が受け取れます
- 怪我や病気で障害が残った場合は障害給付として受け取れます
しっかり覚えておきましょう
iDeCoは途中解約できない
見方を変えると老後資金を確実に作れるとも取れる
僕みたいな浪費家としてはこのデメリットは確実にお金を逃がさない絶対に開けられない貯金箱にできるっていうメリットに変わる
もちろんゴールラインをずらされるリスクはあるけどね https://t.co/ol0g5UyjxU— まさふさ (@masafusa_c) October 3, 2019
逆に考えると、
何があっても拠出したお金は老後まで守ってくれる
ということにもなりますよね。
自己破産して全財産がなくなっても、離婚の慰謝料で全財産がなくなっても、ギャンブルで失敗して全財産がなくなっても、拠出し続ければ確実に老後資金を作れるというメリットにもなるんです。
60歳まで途中解約できない決まりは、あなたにとってメリットかデメリットかを考えてみましょう。
条件によっては節税の恩恵を受けられない
iDeCoの掛金は全額所得控除の対象ですが、住宅ローン控除を利用して所得税を納めていない、あるいはほとんど納めていない人は控除が終了するまでは、節税の恩恵を受けられない可能性があります。
住宅ローン控除やふるさと納税を併用している方は要注意
住宅ローン控除やふるさと納税を併用し、控除される税金の合計が納める所得税・住民税を超えた場合、その差額は控除されません。
制度別の控除される税金
- 住宅ローン控除:所得税・住民税
- ふるさと納税
・確定申告:所得税・住民税
・ワンストップ特例:住民税 - iDeCo:所得税・住民税
住宅ローン控除・ふるさと納税・iDeCoは控除される税金が重複しているので、よく確認しておきましょう。
受け取り時は全額課税対象で節税は二重課税を防ぐための仕組みでしかない
何となくでiDeCoをやっている方は、このことを知らない方がほとんどだと思います。
最初にも言いましたが、iDeCoは年金です。
年金は受け取り時は所得扱いとなるため課税対象となるのです。
なので証券会社で「節税でお得」と連呼されていますが、実際は二重課税を防ぐために「拠出時の税金」を「老後へ繰り延べ」しているだけなのです。
現在は公的年金等控除・退職所得控除があるのでこの枠を超えない限りは非課税なので、とてもお得な制度となっています。
しかし、これらの控除制度が見直し・廃止になった場合は繰り延べしている税金を支払うことになってしまうのです。
Twitterではこの部分が一番大きな反響でした。
おっしゃる通り、
iDeCoは大きな落とし穴があるので、注意すべきです。
私は加入していません。 https://t.co/Pi9qMmabW6
— ひろきち㊙株投資家。テンバガー達成 (@hirokiti_blog) October 3, 2019
すごくシンプルに腹落ちしました。ツイッターをやっててよかった。
イデコ、非課税の恩恵がすごい!って大々的に宣伝されていたものの、なんで魅力を感じないのかな、って不思議だった。 https://t.co/LK9PHDVFY5— るり (@by2gwQpWdBxMHsr) October 3, 2019
制度が変わってまっても、途中解約できないというところにリスクを感じる方が多かったです。
返ってくる税金は再投資しよう
こんな前向きなご意見もいただきました。
これをパッと見て、掛金の繰延ができるなら少なくとも今は積み立てるメリットの方が大きいと判断できる人はiDeCo向き https://t.co/TCjYrsvH5V
— ケンシン@米国株投資 (@Kenshin_soft) October 3, 2019
税金は最初に返してもらえるんだから、別のことに使わずにそのまま再投資しておけば、もし後から払えって言われても気にならないハズですよね(気になるけどw)
こちらは控除で返ってきた税金を再投資して5%で運用出来た場合の資産額の比較です。
僕の場合、年間12万円拠出しているので、2.4万円の税金が返ってきます。
この返ってきた税金を無駄使いせず再投資すると、30年で資産は150万円もの差ができます。
iDeCoは掛金に対し2割の税金が返ってきます。
返ってくる税金を配当金だと思えば、それを再投資し高配当株投資のように運用するとiDeCoも楽しくなると思います。
2割と言っても掛金に対してなので高配当戦略ほど効率的ではないけど物は考えようです。
限度額いっぱいに拠出している方は出来ませんが、将来の控除が不透明なところがiDeCoのリスクなら再投資は有効な手段だと思います。
実は20年凍結されている税金がある
iDeCoはいい制度だと思う
ただ個人的には国を信用できてない部分があり静観してます
凍結中の「特別法人税」1.173%が完全廃止されない場合
もし凍結解除されたらリターンへの影響はでかい
人生100年時代は目先の税優遇だけでなく運用期間中のことや国のも動きも考えて行動する時代だと思います https://t.co/fADCmmv2Si
— パパ五郎@インデックス投資家 (@papagoro0705) October 3, 2019
特別法人税について心配する声も沢山ありました。
特別法人税とは
企業年金の年金積立金に対し、法人税法上課税される税金。
企業年金制度では掛金を拠出した時点で各従業員の年金支給額が確定していないため、実際の給付時まで課税を繰り延べることとされている。その遅延利息に相当するものとして、年金積立金に対して特別法人税が課税される。確定給付企業年金、確定拠出年金の場合は、積立金の全額に、一律1.173%の特別法人税が課税される。なお、平成32年3月31日までは、特別法人税の課税は凍結されている。
出展:企業年金連合会
特別法人税は20年以上凍結されていますが、今のところその期限は2020年3月31日までです。
2020年3月31日の時点で凍結が解除される可能性は低いと思いますが、もし解除されると積立金の全額に1.173%なので、利益の部分はかなり削られることになります。
※追記:2022年3月31日まで凍結延長が決定しています。
まとめ|始めると後戻りできないので事前に納得してから始めよう
- 何があっても60歳まで解約できない
- 条件によっては節税の恩恵を受けられない
- 節税は二重課税を防ぐための仕組み
- 受け取り時は所得扱いなので全額課税
- 実は20年凍結されている税金がある
紹介した通りiDeCoは特徴のクセがスゴく、万人受けする制度ではありません。
しかし、このクセがマッチする人にとってはとてもお得な制度であることも事実です。
例え、受け取り時の控除制度が減額・廃止となったとしても、そもそも払うべき税金ですし、年金で運用ができるというのは画期的な制度です。
Twitterの反応ではネガティブなものが多かったですが、これは金融庁や証券会社がこの部分にほとんど触れておらず「不都合を隠している」ように見えてしまっていることが大きな要因だと思います。
ただ、制度や法律改正の可能性を言い出すときりがないのも事実で、投資の利益にかかる税金だって20年後は40%くらいになっている可能性だってあるわけです。(そうなったら恐ろしい・・)
大切なのはその可能性があることを知り、納得した上で制度を活用することだと思います。
とくにiDeCoは始めると後戻りできないので、自分に合っているのかはしっかり検証してから始めましょう。
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