1-1.長期投資の基礎知識

為替リスク|日本円は米国債券のクッション性能を低下させる

日本で外国資産に投資している人にとって、避けては通れないリスクがあるとことをご存知ですか?

それは為替リスクです。

例えば、ブログなどでよく見るS&P500のチャートはドル建てのものが多く、実際に円建てに換算した時は、下のグラフのようにドル建てとは異なる値動きをしていて、この値動きの差を為替リスクと言います。

「S&P500 チャート」等とGoogleで検索して出てくるチャートは基本的にドル建てで、円建ての値動きとは違うので要注意です。

↓詳しくはこちらをご覧ください↓

日本円と米国株は相性悪し!為替が米国株投資に与える影響がハンパない件日本で米国株投資している以上、資産を消費する際に必ず日本円に変換する必要があります。ということで、為替が米国株投資に与える影響を過去20年分のチャートを使用して調べてみました。...

そして、為替の影響があるのは株式だけでなく外国債券も同様です。

もし外国債券を暴落時のクッションとしてアセットアロケーションに組み込んでいるのであれば、為替リスクによって想定しているようなクッション性能を発揮できない可能性があります。

ということで、今回は米国債券AGGの過去チャートを使用してドル建て・円建てのリターン・リスクにどれくらい差が出るのか調べてみました。

この記事を読んでわかること

  • 米国債券と円相場の価格推移
  • 日本円が米国債券に及ぼす影響
  • 米国債券のドル建て・円建てのリターン・リスク比較

この記事を読んでほしい人

  • 米国債券(外国債券)を暴落時のクッションとして資産に組み込んでいる人
  • これまで為替の影響を考えたことのない人

結論から言うと、米国債券は為替の影響によりリスクが約2.5倍に跳ね上がります。

それでも株式よりは低リスクですが、歴史的な大暴落に巻き込まれた際は、あなたが想像している以上に価格が下がる可能性があるので、クッションとして資産に組み込んでいるのであれば注意が必要です。

米国債券とドル円は逆相関で推移している

こちらは米国債券AGGと米ドル円相場の価格推移を比較したグラフです。

こう見ると両者は逆相関に近いような価格推移をしていることがわかります。
この時点で日本円が米国債券に影響を及ぼすことが予想できますね。

こちらは先ほどのグラフを利用して、米国債券AGGのドル建て・円建てに変換して価格推移を比較したものです。

為替の影響は一目瞭然。

円建てはドル建てと比べ激しく上下に変動していて、リーマンショックが発生した2008年から2013年付近にかけて20%ほど下落し大きくグラフがへこんでいます。
逆に2015年付近では20%値を上げて円建てグラフが突出していますね。

2019年時点みると価格に大きな差がないため、単純にリスクが増大したともいえます。

ドル建て・円建てリターンシミュレーション

結局積み立てると為替の影響ってどれくらいあるの?

お待たせしました、恒例の積立シミュレーションです。

↓積立条件はこちら↓

シミュレーション条件

米国債券AGGのドル建て・円建て、それぞれのチャートに毎月1万円を積み立てた場合のリターンとリスクを比較する

  1. 米国債券AGGのチャートはTradingViewのものを使用
  2. ドル/円チャートはInvesting.comでダウンロードしたものを使用
  3. 配当金は年4回0.7%(年2.8%)から国内税20%を差し引いて計算し、全てを再投資できるものとする
  4. 手数料・インフレなどは考慮しません

※簡易な計算なのでイメージとしてお楽しみください(^^)

日本円は米国債券をハイリスク・ハイリターンに変貌させる

こちらは米国債券AGGに毎月1万円積み立てた場合のドル建て・円建ての資産額推移です。

大きな変動なくほぼ一直線にジワジワ資産が増えるドル建てに対し、円建ては大きく上下に価格変動していることが分かりますね。

2019年時点では円建ての方がリターンは大きいですが、変動リスクが大きいのでタイミングによってはドル建ての方がリターンが大きくなる場合があります。

為替リスクによりクッション性能は低下する

こちらは先ほどのグラフから年平均リターンとリスク、シャープレシオを算出しました。

表を見ると為替の影響によってハイリスク・ハイリターンとなっていることがわかると思います。

円建てはドル建てに比べリターン0.7%増に対しリスクは2.5倍の8.6%も増大しています。

そしてリーマンショックが発生した2008年の成績はドル建てが-2.8%に留まっているのに対し、円建ては-18.4と大きく下落しています。

え、そんなに下がるの(;゚Д゚)

2mの高さからソファーの上に飛び降りるか、座布団の上に飛び降りるかくらいの違いでしょうか。

なんか分かり難い例えだけど、2mから座布団に飛び降りたらケガしそう・・

このように米国債券AGGは日本円によって暴落時のクッション性能が低下することがわかりました。

まとめ|米国債券は為替リスクを考慮すべし

要点まとめ
  1. 米国債券とドル円は逆相関で推移している
  2. 日本円は米国債券をハイリスク・ハイリターンに変貌させる
  3. 為替リスクによりクッション性能は低下する

今回のシミュレーションによって、米国債券は日本円によりハイリスク・ハイリターンに変貌し、暴落時はクッションとしての性能が低下することが分かりました。

上のグラフのように、暴落時のクッションとして債券を採用するのであれば、日本国債券の方が優秀です。

ただ、過去リターンおは米国債券の方が優秀なので、自分のリスク許容度と相談しながら配分を決めていきましょう。

↓日本国債券と外国債券のリターン・リスク比較はこちら↓

債券が暴落時どれくらいクッションになるのか調べてみた日本国債券・先進国債券が暴落時に及ぼす影響と過去20年のリターンを債券比率ごとにそれぞれ調べてみました。どちらも暴落時のクッションにはなりますが、それぞれ特性が異なり一長一短があります。...

↓リスク許容度について詳しくはこちら↓

あなたはどこまで耐えられる?自分のリスク許容度の調べ方投資先のリスクを数値化し、あなたが暴落時にどこまで耐えられるのかを調べる方法を解説します。投資で重要なのはリターンよりリスクです。リスク管理をして失敗しない投資ライフを楽しみましょう。...

為替の影響は想像よりも大きいよ

こちらは約20年間のドル円相場の最高・最低価格、平均価格です。

こう見ると日本円は平均価格を中心に±30%以上変動していることが分かります。

日本円が30%変動するということは、日本から見た外国資産も30%変動することを意味します。

日本で生活している以上、積立資産の売却であろうと株式からの配当であろうと、必ず日本円に変換する必要があります。

リスクが低いと思っている外国債券も、為替リスクにより30%くらいは価格変動する可能性があることを頭に入れておきましょう。

↓日本円が米国株に与える影響についてはこちら↓

為替リスク|日本円は米国株をハイリスク・ハイリターンに変貌させるS&P500の過去20年分のチャートを使用してドル建て・円建てのリターン・リスクにどれくらい差が出るのか調べてみました。その結果米国株は日本円に換算するとドル建てよりハイリスク・ハイリターンとなることが分かりました。...

ブログ村ランキングに参加しています。あなたのワンクリックがとてもモチベーションになっています。

↓よろしければ応援クリックをお願いします!↓にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へ